ＳＳ詳細
リンネちゃんが朝まで添い寝してくれるCD
登場人物一覧
- 巡離 リンネ(p3p000412)
魂の牧童
（がちゃっ、ぎぃ……）
「ノックしないでお邪魔しまーす……」
「って、あれ。なんだまだ起きてたんだ。もしかして枕変わると眠れないとか？」
「そっかー。……あっ、確か明日仕事あるんだっけ？ 眠れないとマズくない？」
「よっしゃ、ここはリンネさんが一肌脱いでしんぜよう。具体的には寝付けるように添い寝しちゃる」
「まあまあそう恥ずかしがらずに。ちょっとデカめの猫が布団に潜り込むだけですよーっと」
（ぎし……っ）（ばさ、もぞもぞ）
「はぁー、あったけー……。やっぱ夜は冷え込むから、帰って来てすぐ布団がぬくいのは快適っすわー……」
「え？ ああ。依頼で外行ってたの。ローレットのやつね」
「怪我ぁ？ そんな心配しなくてもへーきへーき。だって今回のはロレトレだし。ローレット・トレーニング」
「チームの模擬試合で司令官役やりながら、みんなの動き見ていくの。指示出して、回復して、走り回って……いやぁ大変でしたな」
「あ、模擬試合はもちろん勝ったぜい。今回は腕利きの前衛呼び込んでおいたからね。お陰で私が怪我したり前衛が崩壊することもなく圧勝でした。メンツが優秀だとラクができて良いわー」
「そっちも疲れてるみたいじゃん。今日も一日お疲れ様。頑張ってえらいぞ！ 頭を撫でてやろう。うりうり～」
（わしゃわしゃ）
「あははっ、こうするとデカい子供みたい。いい子ー、いい子ー」
「どう？ 頭撫でられてると落ち着く？」
「よーしよーし、いい子ー、いい子ー」
「坊やいい子だねんねしなー……」
「……でも眠れはしないと。うーん、なかなかの強敵ですな」
「あっ、そうだ良いこと思い付いた」
（がばっ）（とっとっとっ）
「じゃーん。耳掻き～」
「リラックスしながら耳掻きされてると寝落ちるじゃん。アレだよ、アレ」
「よいしょっと。はい、こっち来な。可愛い女の子の膝枕だぞ～」
（ぽんぽん）（ごそごそ）
「うーん、ちょっとこれだとよく見えない……。もう少し頭傾けひょわっ！？」
（もぞもぞ）
「ちょっ、動くな……ひゃあ！？ 太ももの上で頭動かすなって！！」
（もぞもぞ、もぞ――）（がしっ）
「……ふぃー、これでよし。乙女の太ももはデリケートゾーンゆえ、みだりに動くべからず。いいね？ あ、頷かなくて良いよ」
「じゃ、始めるから。そのまま動くなよ～……」
（こりこり）（こそっ）
「お客さ～ん、溜まってますねえ～。ほーらこんなにたくさん……いや大して取れないな？」
「そこそこ綺麗にしてんだね。あ、でもここにちょっとある。こりこりこりーっと」
「よしよし、取れた取れた。で、綿の部分で払って……」
（ぽんぽん、ぱたぱた）
「あれっ、取れないな……。ちょっとごめんよ。ふぅー……っ」
「ひゃぁっ！？ きゅ、急に動くなって！」
（ぺしぺし）
「……ああ、くすぐったかったのね。そこはこう、気合で我慢しよう。ガンバレ」
「じゃあ次、反対側ね」
「ぴゃっ！？ ……だから頭はもうちょっとそっと動かせ、そっと」
「さって、かゆいところはございませんかーっと……」
「……にしても、全然眠くならないんだね。耳掻き作戦は失敗かぁ」
「やっぱアレが足りないのかな。母性ってゆーか……バブみ？ みたいな」
「まあナリがナリだから仕方ないか。ご覧の通り見てくれはロリロリだしね」
「傍から見たら甲斐甲斐しくロリにお世話されてる姿か……。いやぁ良いご身分ですな」
「はい、できあがり。じゃあ綿で仕上げるから、今度は気合で耐えるんだぞ」
（ぽんぽん、ぱたぱた）
（ふぅー……っ）
「ひゅっ！？ ああもう、どうしてもくすぐったいと動いちゃうのか……」
「……さっきより動きが小さくても、動いてる時点でダメなのです。そういうものなのです」
「というわけで耳掻き料、お膝オプション付きで締めて10万ゴールド……」
「冗談だよ、冗談。さすがにお金は取らないって」
「っていうか、貰ってもどうせ闇市で溶ける未来しか無いしね。だいぶ前から変なぱんつが混じり始めて、プラス収支にならなくなっちゃってさあ。まあそうウマイ話があるわけないってコトだよねー」
「そういうわけなので、ありがたがってるなら今度どっか飯屋にでも連れてってくれたまへよ。闇市で溶けるよりは飯で消えた方が良いでしょ」
「ほら、さっさと横になりな。耳掻きですっきりしたんだから、少しは寝やすくなってるかもしれないし」
（ぎし……っ）（ばさ、もぞもぞ）
「さて、お次はどうしたものかなぁ。ヒトって寝られない時って何してたっけか……」
「えー、あー……。あっ、子守唄なんてどう？」
「母親が子供をそうやって寝かしつけようとしてるところ、前に見たことがあってね。試す価値はありそうでしょ」
「こうやって、ぽん、ぽんってしながらリズムを取りながら歌うんだよね」
「♪ねーんねーんころりーよー、おころりよー……。ぼーうやよいーこだー、ねんねーしーなー……」
（ぽん、ぽん）
「……あ、ちょっと眠くなり始めた？ そか。じゃあ続けるね」
「♪ぼーうやのおもりーはー、どこーへーいったー……」
「♪あのーやーまーこえーてーさとーへーいったー……」
（すぅ、すぅ……）
「………………」
「……ようやく寝付いたかー。うん、よく寝てるよく寝てる」
「……いつも頑張ってるね。えらいぞ」
「さって、外も白み始めてるし、あたしも早いとこ寝なきゃだ。こいつほど早くはないけど、昼夜逆転はイヤだしね」
「――おやすみ。良い夢を」
………………
…………
……
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。また、登場する人物はすべて現地の法的規制をクリアしています。
