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SS詳細

エミリー・ブライド。或いは、死んだ花嫁…。

登場人物一覧

ルブラット・メルクライン(p3p009557)
61分目の針
ルブラット・メルクラインの関係者
→ イラスト

名前:エミリー・ブライド
種族:人間種(カオスシード)
性別:女性
年齢:20代後半
一人称:私
二人称:君(キミ)、~さん
口調:~だわ、~よ、~ね
特徴:記憶喪失、信心深い、盲目的、善人
設定:
青白い肌に青い髪、女性にしては高めの身長が特徴的などこか陰のある女性。
記憶を失う以前の彼女は明るく快活な性格だった。しかし、数年前に最愛の恋人をルブラットに殺害されたことで発狂。復讐のため、ルブラットの命を狙うようになる。
しかし復讐は失敗し、ルブラットの手により半死半生の重症を負わされる。ルブラットの治療により一命を取り留めたものの、代償としてそれまでの記憶を失った。そのため“エミリー・ブライド”という名はルブラットによって付けられたものだ。
ルブラットを襲撃した際、彼女は婚約指輪とウェディングドレスを身に付けていた。復讐が達成された暁には自死し、あの世で再開した恋人と結婚式を挙げるつもりでいたからだ。それゆえ“ブライド”……『花嫁』という意味の名を与えられた。
約半年に渡る昏睡の末、目を覚ました彼女にルブラットはこれまでの経緯を……つまり、彼女の恋人を殺めたのが自分であることと、復讐を試みた彼女を返り討ちにしたことを告げる。激高するかと思いきや、彼女は告げられた事実に対し、何ら反応を示さなかった。
同情と気紛れに駆られたルブラットは、彼女の治療および経過観察を続けながら、以下のような話をした。

「確かに自分はローレットの依頼を受けて殺害を行ったが、貴方のような者が生まれなければならなかった世界をより良くしていきたいと思っている」

言い訳だ、とルブラットは内心で自嘲していただろう。だが、その言葉に一切の嘘は含まれていない。彼女は果たして、どのような反応を示すのか……怒るか、悲しむか、それともまるで自分には関係ないことだとでも言うように、何の反応も示さないか。
結果はそのどれでもなかった。
会話の中でルブラットの狂気にあてられたのか、精神的なショックによるものか、それとも毒の後遺症かで脳がバグったのか……彼女はルブラットの語る理想を本気で信じ、協力を申し出たのである。
以来、彼女はルブラットの助手か部下のように振る舞うようになる。
彼女の妄信は、ある種の洗脳の結果によるものだ。だが、ルブラットは彼女のことを普通に友人だと思っているし、都合よく利用してやろうとも思っていない。

  • エミリー・ブライド。或いは、死んだ花嫁…。完了
  • GM名病み月
  • 種別設定委託
  • 納品日2023年02月20日
  • ・ルブラット・メルクライン(p3p009557
    ルブラット・メルクラインの関係者
    ※ おまけSS『名も無き死者の遺品。或いは、月の無い夜に銀の指輪を…。』付き

おまけSS『名も無き死者の遺品。或いは、月の無い夜に銀の指輪を…。』

 月の無い夜、彼女は1人で空を見上げる習慣がある。
 月の代わりに銀の指輪を夜空に翳し、過日に思いを馳せるのだ。
 かつて、彼女には……エミリー・ブライドには恋人がいた。その恋人は、ルブラット医師の手により殺められたらしい。そして、エミリーは恋人の復讐のためルブラット医師を襲撃し、返り討ちにあい半年間もの間、生死の境を彷徨った。
 目を覚ましたエミリーに、ルブラット医師はそんな話を聞かせてくれた。
 そうして、ルブラット医師から渡されたのが襲撃当日、エミリーが身に付けていたという銀の婚約指輪である。なお襲撃時に身に付けていたウェディング・ドレスは血と吐瀉物に塗れていたため、既に処分されていた。記憶を失った今となっては、銀の婚約指輪だけが過去のエミリーと、今のエミリーを繋ぐ唯一の品である。
 それゆえか、エミリーは月の無い夜になる度、こうして指輪を夜空に翳して眺めているのだ。奇麗な指輪だと思う。きっと高価な指輪であることも分かる。エミリーの左薬指にぴったりと嵌るサイズであることも分かる。
 だが、エミリーは婚約指輪を付ける気にはなれなかった。
 婚約指輪を薬指に通すべきは、記憶を失う以前のエミリーであって、今のエミリーでは無いからだ。
 あの日……ルブラットへの復讐が失敗した日に、本物のエミリーはきっと死んでしまったのだ。だからこれは、銀の指輪は“名も亡き死者”の、ただ1つの遺品なのだ。
「名前も知らない過去の私を……せめて私だけは忘れないでいてあげるわ」
 なんて。
 既に死んだ昔の自分へ、指輪を通してエミリーはそう告げたのだった。

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