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ちいさな貴女
登場人物一覧
- 笹木 花丸の関係者
→ イラスト
名前:アルア・ウォンブラング
種族:獣種
性別:女
年齢:14才
一人称:わたし
二人称:あなた
口調:です、ます、でしょう
特徴:シルヴァンス、『ハイエスタの拾い子』
設定:
今は亡き村ウォンブラングの出身である少女。元はシルヴァンスの生まれであるが、自身の家族からはぐれたところをブリギット・トール・ウォンブラングに拾われた。
広いヴィーザルの地で、飢え死ぬしかなかった娘は、ブリギットに出会ったことでその命を繋ぐことが出来た。
だが、フギン=ムニンによるあの一日でその幸せは破壊された。
散り散りになったウォンブラングの子供達。アルアは運が良かった。鉄帝国の動乱が起きた時、彼女は別のハイエスタの集落にいた。
シルヴァンスに戻ることも出来ない彼女は利口にハイエスタ達によく尽くして暮らしたらしい。
北辰連合の活動を耳にしながらも遠い世界の話しだと感じていたが――遂に、その噂を耳にした。『おばあさま』が魔種として、活動して居るらしい、と。
彼女が革命派として幸せに暮らしているのならば顔を出すつもりは無かった。シルヴァンスで、拾われっ子であった自分が彼女の人生を脅かしてはならないからだ。
ブリギットおばあさまは、屹度後悔するだろう。守り切れなかった子供の一人が他の村に拾われて生き延びていたとしても。
アルアは運が良かっただけだった。運が良い子供が居れば、悪かった子供も居る。他に死んでいった子供の面影をアルアの中に見てしまうからだ。
だから、顔を出すつもりは無かった――それでも、聞いてしまったのだ。彼女が革命派から離脱したと言うことを。
アルアはシルヴァンスだ。武器に対して偏見もなければ慣れっこだ。
もしも『おばあさま』が終ることを求めているというならば、アルアは迷うことなく武器を手にするだろう。
使い方だけは『おばあさま』は教えてくれなかったけれど。
「わたしは、とてもよわいです。戦う事しか知らない一族に産まれたのに、戦う事を教わりませんでした。
それでもしあわせに生き延びてきました。だから、最後の恩返しをしたいのです。おばあさまを、殺しに行きませんか」
それから、全てが終わったらウォンブラングに『おばあさまの大切な人達』と行きたいと願った。
あの場所で『おばあさま』の最期を与えてあげたかったのだ。