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<宵の狼>俺だけの――

登場人物一覧

エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
エルス・ティーネの関係者
→ イラスト

名前:康・有存(こう・あそん)
種族:亜竜種→魔種
性別:男性
年齢:18
一人称:俺様
二人称:お前、テメェ呼び捨て
口調:だよ、だろ、だよな?
特徴:覇竜領域フリアノン出身、竜覇(風)、傭兵団『宵の狼』所属
設定:
 エルス・ティーネに片思いを続けるラサの傭兵団の亜竜種。康・有存が反転した姿。
 郷を捨て、傭兵団へと飛び出して、医師の真似事を続けて居る。全ては何時かエルスが振り向いてくれると信じているからだ。
 エルスは赤犬に似ているとリリスティーネには云われていたが、それでも努力をすれば振り向いてくれると信じていた。
 身の丈に合わぬ恋だとリリスティーネは笑った。それでも、有存は構わなかった。
 身の丈に合わなくとも、宵のお姫様は自身を見て笑って呉れるはずだ。フリアノンで彼女は優しかった。
「医術を学んでいるなんて凄いのね」と笑ってくれた。「そうやって郷を護るのね」と認めてくれた。
 甘やかされ育った三男坊が努力するに見合うだけの言葉だった。
 あまりにも乏しく学ぶ気の一つもなかった薬学知識だって努力で身に着けた。手際が悪いと叱られてばかりであった看護医療も今は行なう事も出来る。
 酷い怪我をする幹部達の傷を治療する内にスキルアップだってした。
 屹度、これならば彼女の役に立てるはずだと馬鹿みたいに男は夢見ていた。有存にとっての恋は、在り来たりな勘違いで構築されていたのかも知れない。

 だが、もしも。
 もしも、エルスが赤犬のことだけを思い、有存の前でその感情を吐露したならば?
 リリスティーネの事も、有存の事も拒絶してディルクのことばかりを見ていたとするならば?
 彼は容易くその体を闇へと委ねることだろう。
 それだけの覚悟を持ってきた。それだけの恋をしているという自覚が男には会った。
 依存している。その事にも気付くことはなく、酷く、破れかぶれな恋をしている。

 まだ、『もしも』でしかない男は今日も願う。
 ――赤犬さえ、死んでくれれば、それでいいのに、と。

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