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大人形 富寿の一生。或いは、妄信の末路…。
登場人物一覧
名前:大人形 富寿
一人称:僕、私
二人称:君、貴殿、貴方
口調:~だ、~だな、~です、~ます
特徴:世間知らず、妄信的、独善的
設定:
豊穣の名家、大人形(おおひとがた)家の三男坊。ほっそりとした顔つきに、高めの身長、穏やかな雰囲気を纏う身なりの良い男性。
総髪を後ろで一つに括っており、中性的な印象……だったのだが、現在は髪は乱れ、顔は青白く骨ばっており、眼球は血に染まったような赤、骨と皮ばかりの体に大きく膨らんだ腹と、異様なほどに長い手足……と、一見して人間には見えない容姿となっている。
彼の生家・大人形家は古くは呪術による都市の守護を担っていた。当代では呪術師としての血は薄れているが、大人形の屋敷には先祖の遺した数多の呪具が保管されている。
三男坊ということもあり、甘やかされて育ったため世間知らずで、思い込みが激しい性質。
かつて豊穣の各地を視察と称して遊び回っている際に毒蛇に噛まれて死病を患ったことがある。その際に出逢った榊 伊慈および「病魔払いの榊一族」に命を救われたことで、彼に心酔するようになった。疑いもなくこづかいの一部を寄付金として納めたり、伊慈の頼みを聞いたりするため、伊慈からは扱いやすい手駒のように思われているが、本人はそれを知らない。
むしろ、伊慈自らの手によって“巫女の肉”を供されたこともあり、無二の親友であるとさえ思っているだろう。
伊慈の依頼により“病毒の八百万”ことトキノエ(p3p009181)と接触。トキノエに身柄を預けるよう詰め寄ったことで怒りを買い“死なない程度の病気”に感染させられた。
その際、彼は熱に浮かされる頭でなお伊慈の役に立とうと行動した。結果として、実家の蔵から持ち出していた“ヒダル神の能面”を被ったことで、半人半妖とでもいうべき化生へと姿を変えた。
“ヒダル神”となる前の記憶は朧げながら残っているため、現在もトキノエを追って豊穣の各地を彷徨っている。トキノエを見つけてどうするのか、誰の頼みでトキノエを追っているのか……既に記憶にないため、存在としては“トキノエを追いかけ害をばら撒く”類の呪詛に近い。
ヒダル神と化した富寿の周囲には腐臭が漂っており、それを吸い込むと激しい空腹感、飢餓感、手足の痺れや眩暈、頭痛などに見舞われる。場合によってはそのまま衰弱死することもあるなど大変に危険。
なお、ヒダル神と化した彼は、二度と病気や飢餓に苦しむことはない。