SS詳細
食い荒らし、在る。その常態。
登場人物一覧
名前:ユベニス・エンドクライタ
一人称:僕(本性を明かす時のみ「俺」)
二人称:君
口調:~だ、だよ、だろう、だよね?
特徴:【美形】【柔和】【ウェーブ】【社交的】【裏表がある】【残酷】
設定:
ユベニスは生まれついでの整った容貌、また初めて知り合う相手とも気の置けない友人のように親しくなれるコミュニケーション技術を使い、性別を問わず多くの人間を自身の『恋人』――即ち奴隷にも等しき存在へと堕としてきた男である。
年齢や種族などは不明。夜を刷いたような髪と目の色をした彼は、今日もまた誰かの住処にて蜜夜を過ごすのであろう。
……その「毒牙」に掛った者は、数知れない。
人間の心に在る陥穽。それを見つける能力に長けていたユベニスは、そうした綻びを有する者へと近づき、甘言と肉欲を以て支配し、最後にはその相手から何もかもを奪い去っていく。
それは彼にとっての日常であり、一種の仕事のようなものである。無論、その後に生ずる『恋人』の慟哭や絶望などを考慮することは一切ない。
彼が一日を酒や遊興に費やすために、一個の人間の人生が終わりを迎える。
その所業が罰されたことは、ただの一度も存在しない。
本来であれば、そうした行いを繰り返せば街や国の有力者が動き、官憲や『ローレット』への依頼などによって捕えられることが道理であろうが、現在までにそれが為されたことは無い。
それはユベニスが『恋人』として見定める相手を慎重に選んでいる(後ろ暗い部分がある人物や、脛に傷を持った人物)こともあるし、行動すべき権力者たち自身、若しくはその家族などとも「繋がっている」ことも理由である。
……彼が『恋人』から手に入れる者は、金銭だけではない。
権力や一部の法規。それすらも、彼は自らの欲得の為に奪い、利用するのだ。
実のところ、メリーノと彼には面識が存在する。
妹であるカノプスを探しているとき、彼女が交流していたと言う目撃情報を基に、メリーノはユベニスから妹に関する情報を聞くため接触したことが在るのだ。
結果として然したる情報は得られず、また直感的に「関わりたくない相手」と判断したメリーノは、そのたった一度の接触以降、再びユベニスと会ったことは無い。
――ここで、疑問が生ずる。
果たしてユベニスは、自らと「交流」した相手を見過ごす、などと言うことはあるのだろうか?
おまけSS
補足しておくと。
ユベニスがこれと目を付けた相手を『恋人』にし、その相手が持つ物を奪い尽くすのはあくまで生活の一部であり、日常の一環なのだ。
其処に介在する感情は事務的なものであり、愉悦や享楽などと言ったものとは無縁である。
で、あるならば。
彼にとっての喜びや楽しみは、如何なるときに見出されるのか。
……彼を知り、現在に於いても存命している数少ない者は、即ちこう答えた。
「……獲得」
「あの『恋仲』は、相手が自分の虜となって意のままに従うことは、彼にとって相手を獲得したことと同義ではありません」
「その身の自由全てを。思考を。命を。魂を」
「目に見えるカタチで我が物にしたと断言できる状態をこそ、彼にとっての獲得であり、その歪んだ欲望が満たされる唯一の瞬間なのでしょう」
「それを満たしたのは、ただ一人。『彼女』だけだったのです」