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SS詳細

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登場人物一覧

アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)
Le Chasseur.
アッシュ・ウィンター・チャイルドの関係者
→ イラスト

名前:アリーシャ・ツイナー(Alisha・Twiner)

種族:旅人

性別:女

年齢:20代半ば

一人称:私

二人称:あなた

口調:~です、ます、でしょう、ですか?

特徴:【美形】【白衣】【ネガティブ】 【理知的】

設定:
 元は練達に拠点を置くメディカルスタッフの一人。数か月前から鉄帝に仕事の関係で出張してきた折に『鉄帝動乱』による政変を受け、帰国が不可能となってしまった経緯を持つ。
 現在においてはザーバ派に於ける臨時の非常勤医師として負傷者の治療や看護にあたっている。アッシュと出会ったのもこの派閥内に於いてであった。

 彼女とアッシュの「この世界に於ける」接点は現時点ではほぼ存在しないと言っていい。
 ……このような注釈をつける理由は、彼女とアッシュの出身世界が同一であるためだ。
 付け加えて言うと、彼女はホムンクルスであるアッシュの『素体』となった人間である。元居た世界での敵性存在である吸血鬼たちに対抗するための消耗品として生み出されたアッシュたちは皆、アリーシャ達『有志の市民』によって提供された遺伝子という原型(モデル)が必ず存在する。
 直接確認したわけではないものの、アリーシャ自身も己と似通った容姿や、何より嘗ての世界のそれと似通った戦闘スタイルを有するアッシュが自分の『子』であることを(漠然とではあるが)理解している。
 ――なお、アッシュの方は自身が生み出されたプロセスを理解していながらも、生来の鈍感さゆえにアリーシャとの繋がりに全く気付いていない。

 上述の事情を認識した今でも、アリーシャは未だアッシュと接点を持つことを良しとしていない。
 自身の本当の子供ではないアッシュに対し、どの様な接し方をすればいいのかと躊躇している部分もあると言えばあるが……彼女は「今のアッシュ」の直接の素体ではないためだ。
 出身世界を同じくする彼女らではあるが、実のところ元居た世界の『時間軸』はそれぞれ異なっている。「今のアッシュ」は「今のアリーシャ」が更に年経た後になって提供された遺伝子から生み出された存在なのだ。
『戦いの中で失われる道具』へ貶められた命を、自ら生み出した未来の自分に対する苦悩、そして同様の理由から来るアッシュへの罪悪感が、アリーシャからアッシュへのつながりを隔てる大きな壁を形成してしまっているのだ。




 少なくとも、現在。
 二人は未だ、『他人』という関係から抜け出すことは出来ていない。

おまけSS

 アリーシャはアッシュと同様に敬語を主とした口調で会話を行うが、これは会話相手に対する尊敬の念から来るものではなく、むしろその対極と言える。
 彼女の元々居た世界は対立と戦争を続けている世界であり、尚且つ彼女自身も医職と言う生死に最も関わる仕事についていたためか、「関わった相手が何時亡くなるか分からない」と言う喪失に対する恐怖から自然と他者との関わりを拒むようになってしまった。
 そうした事情からあまり人付き合いはしない性質ゆえ、現在までの彼女の主たる職務は患者に対する「ケアリング・カウンセリングを除いた」治療やデスクワークとなっている。
 本人も内向的な自分の性格を理解しているため、自身に割り当てられた仕事に対する不満こそないが、異なる世界へと移り住んでいる今もそうした習慣から抜け出すことのできずにいる――ひいては他者を信用しきれない自分に対して、アリーシャは未だに小さな自己嫌悪に苛まれ続けている。

 ……そういう意味では。
 アッシュという「自己に近しい他者」という存在であっても、外界に興味を抱き始めたという事実は、彼女にとって好ましい兆候なのかもしれない。

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