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SS詳細

エルフレームの観測者、嫦娥

登場人物一覧

ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
航空猟兵
ブランシュ=エルフレーム=リアルトの関係者
→ イラスト

名前:嫦娥
種族:旅人ウォーカー
性別:女性
年齢:不明
一人称:私
二人称:そなた
口調:言い捨て
特徴:未来風、学者肌、ミステリアス
設定:
 エルフレームシリーズの生みの親の一人、と言えるかもしれない人物である――。

 嫦娥が混沌世界へと召喚されたのは、はるか古の時代。その時代の練達には、己の妄執と狂気から、魔種なる『架空とされた存在』の抹殺に血道をあげる男――ラダリアスが居た。
 嫦娥にとって、それはあまりにも『愉快な存在』であった。そもそも古の時代にて、魔種とはおとぎ話の存在と同義であった。その魔種を殺すとは、果たしていかなる狂気か。
 ラダリアスのいう事実が果たして本当に、魔種の手によるものであるかはもはやわからない。だが、ラダリアスが魔種とは実存するものだと信じ、それを殺すための刃を作り上げようとしているのは事実であった。
 畢竟――それは、概念殺しを行おうとするように、嫦娥には思えたのである。概念殺し。つまりは、神殺しと同義だ。
 もちろん、魔種は現実の存在であり、ラダリアスの力が神に到達するかと言えば不明である。が、少なくとも当時に、概念を討とうとした狂気の科学者がいたことは事実であり、それは嫦娥の好奇心をひくには充分であった。

 嫦娥はラダリアスに接触し、己の知識の中から、面白そうなものをラダリアスに与えた。例えば、異世界にて沈んだ戦艦なるものの記憶とデータ。そして、元の世界では短期の未来予測を可能としたシステム。そのどちらも、混沌肯定により本来の力は発揮はできなかったが、ラダリアスの狂気に弾みをつけたのは事実だった。

 話を変えて、嫦娥がどうしてそのような知識を持ち合わせていたのか。それは、嫦娥は『月』を本拠地とし、『地球』という星のデータを永遠に観測・蓄積し続ける存在であったからだ。嫦娥の知る『地球』は、文明の最大発展の果てに自滅して消滅した。そのアーカイブをさてどうしよう、と持て余していた所で、混沌世界に召喚されたようであった。

 技術を提供し、エルフレームシリーズの完成を見た嫦娥は、姿をくらます。その後のエルフレームの物語に、嫦娥は関わっていない。
 今何をしているのか。そもそも生きているのか――それも不明だ。だが、嫦娥は『観測するもの』として、今の物語には関わらないのかもしれない。
 嫦娥はかつてこう言っていたのだから。
「私は視て記録するものだ。舞台には立たん」
 と。

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