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其の男こそ“真実”である

登場人物一覧

ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)
黄昏夢廸
ランドウェラ=ロード=ロウスの関係者
→ イラスト

名前:『灰柳』灼那欺(ヤナギ)
種族:ウォーカー
性別:男
外見年齢:30歳前後(実年齢不明)
一人称:私
二人称:君、貴方
口調:かしこまった敬語
特徴:従順、世話好き、優しい、常に中立
設定:
 灼那欺はランドウェラに瓜二つである。
 ――いや、違う。ランドウェラが灼那欺に瓜二つなのだ、と言った方が正しい。
 ランドウェラ=ロード=ロウスという男は、灼那欺の髪の毛一本から作られた複製(クローン)なのだ。

 死とは何か。
 命とは何か。

 其れに応えられずに、灼那欺は黒い手を持つ宿命をさだめられて。
 其れを受け入れてしまったから、己の複製を目にする事になった、何処までも哀れな男。

 彼は思う。
 この異世界に、きっと己と同じ顔の男がいると。
 だが、こうも思う。
 彼が“元の世界”から消えてもう数年になる。ならば、己が不気味だと思った赤子のようだった“ランドウェラ”も――何か変わっているのではないかと。
 文字通り「瓜二つなだけの別の男」になってくれているのではないかと、灼那欺は内心で期待している。
 期待してはいるものの、肩入れするつもりも突き放すつもりもない。
 ただ出会ったら、「こんにちは」と挨拶くらいはするだろう。

 彼は仕事人だ。
 だが、頼まれた仕事を咀嚼する事くらいはする。其れが善か悪かを判断し、そうして“斬るべきか”を吟味する。
 しかし斬った後の事は考えない。そういうのを考えるのは、別の人間がする事だと割り切っているからだ。
 “其の時、己の為すべきことがどれだけ重要なのか”?
 ――其れが灼那欺の基本的な判断基準であり、彼はこの判断基準から外れた命令に従う事はない。

 スマルトとの関係は主人と護衛というとてもシンプルなものだ。
 同時に、スマルトが魔種である事を隠蔽する手伝いもしている。
 灼那欺の片手の「死」の香りが、己の毒香を収めてくれるのだとスマルトは笑う。

 ――悪い事ばかりしているその男を殺したいのだが、なかなか其のタイミングを掴めないでいる。
 何故なら彼はいつだって、“重要なときに”“為すべきを為し”ているからだ。
 おまけに魔種である彼には地力もある。灼那欺は静かに伺っている。――彼へ、最高のサプライズを齎す瞬間を。

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