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『想念送死』
登場人物一覧
- 國定 天川の関係者
→ イラスト
名前:『想念送死』九天ルシア
種族:旅人
性別:女性
年齢:19歳
一人称:ボク
二人称:キミ、~クン
口調:です、ます
特徴:常に気怠げ、元カルト教団『幸天昇』所属
設定:
身長150cm、目許の隈と気怠げにも見える儚げな少女。
元世界では生まれながらの強力なテレパシスト。精神感応能力者。
相手の心を読み、闇を暴き、自身のイメージを送り込み幻覚を見せることさえも可能であった。
常に複数の思考が強制的に脳内に流れ込むことで『思念』なのか『会話』なのかの区別が付かないまま育った。
幼少期には化け物扱いされ続けて居た。両親はルシアの能力に畏怖しながらも彼女を愛していたが、交通事故で他界。
親戚中をたらい回しされた挙げ句に施設へと入れられ、脆い精神は崩れかけた。そんな時に心の支えとなったのは『幸天昇』である。
少女は死こそが救済という狂った思想さえなければ純粋で嘘をつくこともない教祖の孔善に心酔し、施設を飛び出して司祭になった。
ルシアの能力は幻覚を見せ、幻肢痛のようにダメージを与える事が出来るほどに強力である。
天川の出身世界に存在したテレパシストの中では人類史上最強とも言えた。教祖である孔善の能力とも非常に相性が良く、孔善の思念を増幅し広範囲に拡散して信者を増やし続けて居た。
彼女は中学時代のクラスメイトの『定クン』の精神性を好いていた。好いていたが故に、彼を『救済』してやろうと考えた。
ルシアにとっては『定クン』への好意からの最大限の善意であり、個人を狙うのは特別扱いであった――が、死に至らしめる前に天川による教団襲撃が行なわれた。
天川は当時は子供であったルシアの生死確認を行なわず確実に死に至らしめる一撃を放たなかった。
ルシアは彼の過去を読み、一刻も早く死んで家族の元に行けば良いのにと考える程度に特別な感情を抱かなかった。
だが、死に損なった事で救済の機会を失ったルシアは奇妙な運命の縺れで孔善と共に混沌へと召喚された。
テレパシストとしての能力は弱体化しながらもギフトとして僅かに残された。聞こえづらくなった心の声は彼女を更に不安定に追い詰める。
けれど、見た。
殺してくれなかった男の人と一緒に定クンが居る事を――ルシアは納得する。
そうだ。定クンや定クンの大切な人を救済するためにボクは此処に来たのだと。