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解き放たれし、身体と闇
登場人物一覧
- 朔の関係者
→ イラスト
名前:
種族:旅人
性別:男
年齢(或いは外見年齢):22
一人称:僕
二人称:貴方、~さん
口調:~です、~ですね、~ですか? 全般的に丁寧
特徴(外見):【丸眼鏡】【優等生】【和装】【柔和】【弱気】
特徴(内面):【バトル中毒】【サディスト】【文系】【意識が高い】【慇懃】
設定:
足代 理人は、朔と出身世界を同じくする旅人である。朔と理人は、元の世界では交流を持っていた。きっかけは、図書館で車椅子の理人には取れない本を、通りがかった朔が取って渡したことだ。
元より障がい者と言うこともあり、あまり活動的ではなかった理人にとって、朔は数少ない知己の一人となった。朔は面倒くさがりながらも、理人を追い払いはしなかったため、二人の交流はそれなりに長く続いた。
この時の理人を端的に言うならば、世界は平和であるべきで、弱者は保護されるべきと言う理想主義者だった。世界で起こる様々な問題に対し、理人が熱っぽく理想論を語っていたのを、朔は今でも覚えている。ただ、朔が察していたかどうかは不明ではあるが、そう語る一方で理人は心の中に鬱屈したものを抱え込んでいた。
そのうち、理人は朔の前に姿を見せなくなったが、去る者は追わない朔はさほど気にすることはなかった。
朔よりも先に混沌に転移させられた理人は、クラースナヤ・ズヴェズダーの革命派に保護され、両脚を機械化する手術を受けた。
自由に動ける脚を得られた理人は、それをもたらしてくれた革命派への恩義と元より有していた理想主義とによって、革命派の主張に傾倒していった。
また一方で、機械化された脚は理人の身体を車椅子から解放しただけでなく、心の闇を理性と言う檻から解き放ってもいた。これには、理想のためには過激な行動も時には厭わない革命派の性質も作用していた。
かくして、理人は革命派の一員として行動する中で、暴力の味を覚えた。自分から喧嘩を売ることはないが、売られた喧嘩は必ず買い、完膚なきまでに叩きのめし、加虐欲求を満たす。また、革命派の「敵」には喧嘩を売られずとも容赦がなかった。
そうしている間に、理人の服は紅に染まっていった。この紅は返り血ではとの噂は立ったが、鉄帝人には珍しい普段の弱気で柔和な様子から、信憑性のあるものとはなっていない。だが、この噂は真実を言い当てていた。
――朔は、理人が混沌にいることも、その現状も、未だ知らない。