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SS詳細

チッツー・チィ。或いは、風読みの翡翠鳥…。

登場人物一覧

ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
ジョージ・キングマンの関係者
→ イラスト

名前:チッツー・チィ
種族:飛行種
性別:女性
年齢:19歳
一人称:わたし
二人称:きみ
口調:~なのよ、~なのだわ
特徴:青い翼、青い髪、ぼうっとしている、綺麗好き、水が好き
設定:
カワセミの飛行種。
アスクル学者団の若き学徒。
風を読み、風を操る魔術の行使を得意としているが、高価範囲がごく小規模であるため、あまり戦闘向けではない。彼女の操る風の魔術は、主に自身の飛行や天候観測に用いられている。
空中で停止したり、水面を滑るように飛んだり、風で体を覆ったまま水中へ潜ることを可能とする。

暖かな地域に長く住んでいたこともあり、彼女は寒さに非常に弱い。
故郷を離れた理由は不明だが、天候の観測による災害余地などを行いながらラサ各地を転々としていた模様。
アスクル学者団に合流したのは、気象学と気候学……つまり、大気化学を学ぶためであるという。
ぼうっとしており、表情の変化に乏しい彼女だが、人付き合いはさほど苦手としていない。むしろ、温厚かつ知的な彼女との会話をことさら楽しみにしている学徒もいるほどだ。
彼女は大勢で食卓を囲み、料理をシェアし合いながら言葉を交わすことも好む。そして、彼女と食卓を囲んだ者は、その食事姿に驚くことになるだろう。
彼女は非常に健啖家であり、肉などは骨ごと細かく噛み砕いて食べる。当然、胃の中には消化できなかった骨が溜まっていくのだが、彼女はそれを何ら問題にしていない。
胃や食堂の構造が特殊なのか、彼女は胃に溜まった骨を固めて吐き出す方法を身につけているからである。
彼女に空腹を訴えれば、何らかの食料を分けてくれることだろう。

飛行を得意とする反面、彼女はあまり歩くのが得意では無いようだ。或いは、地上を歩くという行為に強い苦手意識や恐怖心を抱いているのかもしれない。
そのため、彼女は就寝時に出来るだけ高い位置で横なるという奇妙な習慣を持っている。現在はとある港町に滞在しているが、そこでの彼女の住処は民家の壁面に備え付けられた土や枝や枯草を組み合わせたものだ。
壁面に突き出すような楕円形の寝床を見つけたら、足音を立てずに覗き込んでみることをおすすめする。そこでは美しく青い翼を丸め、すやすやと眠るチィの姿が目にできるだろう。

風や天候を読む能力を買われ、港では主に航路の調査や近海の天候観測を担当している。
学者としての経験が浅いため、天候を観測した先の予想と結論、理論だった説明などは苦手としている。

  • チッツー・チィ。或いは、風読みの翡翠鳥…。完了
  • GM名病み月
  • 種別設定委託
  • 納品日2022年09月05日
  • ・ジョージ・キングマン(p3p007332
    ジョージ・キングマンの関係者
    ※ おまけSS『チィの縄張り。或いは、青い翼の天候学者…。』付き

おまけSS『チィの縄張り。或いは、青い翼の天候学者…。』

●風の吹く場所
「ここから先に岩を敷くのは良してほしいの。せっかく土があるのだから、そのままでいいと思うのだわ」
 港町の片隅。
 半壊した都市の修復作業を行う中で、その問題は表面化した。
 砂に埋もれた家屋を掘り返し、石畳で補強する。そういった工事の途中で、ある日突然チッツー・チィが、数人の仲間を引き連れて「待った」の声をあげたのだ。
「そうは言ってもな。この辺りに砂が吹き込むと、街の開発が滞る。街中が砂だらけになっても困るし、端から風化しはじめても面倒だ」
 解決の為に呼ばれたジョージ・キングマンは、頭を掻いてそう言った。
 どこか困った顔をしているのは、チィに対してどういう態度を取ればいいか分からないからだ。チィは年若い学者であり、どこかぼうっとしているうえに、声を荒げることもない。
 ただ淡々と、それが当然のことで、まるで自分の主張こそが正しいといった様子を崩さず、石畳での舗装を拒絶しているのである。
「何だって石畳での舗装を嫌がる?」
 ジョージは問うた。
 チィは淡々と言葉を返す。
「わたしの生まれた街は、石に覆われて壊滅したから。他所から来た人が、何かの術のかかった石を運んで来たのが原因なのだわ」
「あー……なるほどな」
 石に覆われ滅んだ故郷を思い出すから。
 そう言う理由で、チィは石畳による舗装に反対しているらしい。
 チィは静かに、けれど明確に拒絶の意思を示している。きっと、少し説得した程度では引いてくれはしないだろう。
 暫くの間、ジョージは顎に手を当てて、今後の方針についてを思案する。
 チィを説得し、石畳を敷くか。
 強引にチィや仲間たちを排除してから、石畳を敷くか。
 石畳による舗装を諦めるか。
「……まぁ、この辺りをすぐに使う予定も無いしな。いいだろう。一旦、この辺りの舗装は中断するよう、俺から指示を出しておく」
 ジョージの出した回答に、チィは満足したのだろう。
 どこか得意げな顔をして、頬を紅潮させて「ふふん」と囀るように笑ったのだ。
 それから彼女は、すい、と空を指さして……。
「明日の夜か明後日の朝ぐらいに天候が崩れる気がするのだわ」
 なんて。
 そんな助言をくれたのだった。

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