SS詳細
煌浄殿の揺り籠
登場人物一覧
名前:ヤツカ
種族:夜妖
性別:男性
外見年齢:20歳ほど(実年齢は不明)
一人称:私
二人称:貴方、呼び捨て、明煌、廻
口調:です、ます、ですか?
特徴:美青年。緑瞳。薄青の髪、サラサラのストレート。和風な首輪と手足枷をつけている。
設定:
煌浄殿の呪物の一人。
封じられている呪物ではなく、煌浄殿の一部。封じる者。
何者をも逃がさない『鎖枷』の概念を宿した精霊。
おそらく煌浄殿にある最古の『呪物』であると言われている。
その名を<八束>という。蛇を表す八を束ね封ずる意味を持つ。
廻が行ういくつかの浄化の儀式の際、ヤツカの枷を嵌める。
深道の人々はヤツカの枷に絶対的な信頼を置いているからだ。
二ノ社の儀式、禊の蛇窟での儀式共に廻の動きを封じ、それ故にその命を守るものとなる。
とても長い年月を生きている精霊なので何処か儚い印象を受ける。
代々の煌浄殿の主に仕えており、今代の明煌の事も見守っている。
煌浄殿の中に居る呪物たちは己の子らだと思っており、大切にしている。
呪物達もヤツカのことを尊敬しているのだ。
自らの意思で煌浄殿に来た訳では無い呪物は最初とても抵抗する。
それらが大人しくなるのはヤツカの優しい揺り籠があるから。
鎖枷という概念であるヤツカは捕え封じる事により彼らを守っているのだ。
特に『枷を着けられた方が安心する』者を敏感に察知する。
最近煌浄殿へ預けられた廻は『安心する者』である。
一時的な預かりでなければ、ヤツカは廻を優しい揺り籠の中で抱きしめただろう。
明煌はヤツカが枷をつけなくとも、己を雁字搦めに縛っている。
ヤツカが心配になるほどに、自縄自縛の呪いを帯びているのだ。
明煌の心は誰も解くことは出来ない。
それは彼の罪であり罰であるのだろう。
もし、囚われることに何らかの強い忌避感がある者が煌浄殿に近づけばヤツカは姿を現すだろう。
なぜなら、その強い感情の原因を解きほぐし、再び囚われる時の甘美な情動を知っているから。
囚われていたことを深く刻んだ者ほど、裏を返せば執着している証拠なのだから。