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白鈴の娘
登場人物一覧
- Я・E・Dの関係者
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名前:白堊(はくあ)
種族:亜竜種(……魔種?)
性別:女性
年齢:unknown
一人称:わたくし
二人称:あなた、(ベルゼーには)父祖殿
口調:です、ます、でしょう、ですか?
特徴:亜竜集落フリアノン出身、竜覇(氷)
設定:
亜竜集落フリアノンに生まれ落ちた里長代理の一族の娘。
母が元里長であった珱・珠珀(珱・琉珂の父)の幼馴染みであった事で珠珀に息子が生まれたならば嫁ぐ口約束が存在していたらしい。
……因みに、本来は白堊の姉が許嫁となる筈であったがとても怠惰(ぐーたら)な娘であった為、急遽、妹に白羽の矢が立った。
だが、生まれたのは娘であった為、その約束はご破算となり、幼い琉珂の遊び相手を担っていた。
その頃からフリアノンに度々出入りしていた『里おじさま』ことベルゼーとは懇意にしており、竜種であった事が判明した者達とも交友が深かった。
特に珠珀の妻である琉維に振り回されるクワルバルツやフェザークレスの補佐を行う事もあった。
琉珂よりも幾分も年上の白堊は『里長の家系に男が生まれたら嫁ぐ』為の教育ばかりを為されてきた為に非常に大人しい女であった。
冷静であり教養も有する美しい娘。生家であった瑶家の賢竜と称されることさえもある。
だが、それ故に非常に頭が硬く感情表現が希薄な娘に育った。そんな彼女の感情の機微を察知し、気を配ってくれたのがベルゼーである。
ご破算となった婚約話が付き纏う彼女にとっての初めての恋心が向いた先は竜種達が父と、主と慕う男であった。
『父祖殿』と呼びかけ、彼の後ろを付いて回った。ベルゼーが里に来る度に白堊は新たな書物を手にして学びの門を開くのだ。
……だが、フリアノンに齎されたのはベルゼーが暴食の冠位魔種であったという事実だ。
ベルゼーを敬愛した過去がある白堊は其れを信じることは出来なかった。故に、彼の居場所を突き止めて問うたのだ。
「本当に、あなたが敵対種であるならばわたくしの事を連れていってください。
いっそ、暴食だというならば喰らってくれても構いません。わたくしはあなたを愛してしまったのですから――」
女の懐いた未熟な恋慕はよりにもよって『最悪』な形で吐露された。
フリアノンに届いた便りは、白堊の失踪だけであった――