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結わえ
登場人物一覧
名前:古木・文
一人称:僕
二人称:~君、~さん
口調:だ、だね、かな?
特徴:希望ヶ浜学園高等部の古典(漢文)教師、書道部にも顔を出している
設定:
再現性東京202X街に存在する希望ヶ浜学園にて古典教師をしているイレギュラーズ。
逢坂地区では歴史や文化に興味のある教諭を名乗り、その地に深く根付いて居た民族的な信仰や文化についての調査を行っていた。
元々は日本国(大正~昭和時代)よりやって来た旅人であるために
現代的な発展を遂げている希望ヶ浜の全容全てを受け入れられているわけではないのかもしれないが怪異や其れ等に類する情報には嫌悪もなく対応が出来た。
青年が興味を持ったのは澄原 水夜子が調査を担っている『希望ヶ浜怪異譚(通称、希譚)』であった。
其処に事細かにファイリングされているのはある作家が民間信仰や民俗文化を探索した結果である。それらの文字列が綴った怪異は多岐にも亘る。
文が興味を持った『朱殷の衣』もその一つであった。異形のものを吊し上げ、その赤い血潮で染め上げた呪われた衣は人の恨みが深ければ深いほどに美しく見えるだろう。
そうして人の目を引いて、呪いを伝播させて行くのだ。そうした物品は人の心を引き留めやすいと文とて知っていたからだ。
文化的に携帯電話やインターネットのない世界からやって来た文にとっては
故に、彼は怪異を目にすることが多い。
音呂木神社から少し離れた場所に水夜子が興味を引いたと文に告げた場所がある。彼もどうしてもその地を見て水夜子と同じ印象を抱いた。
変哲のない一軒家である。少し山手に存在したその場所はバブル時代に作られたままといった印象ではあるが人の気配を感じられない。
だが、どうにもその場所が興味を引いて堪らない。踏み込むのは又にしましょうと水夜子は告げて居たが……文はどうしても興味があった。
ひよのにその事を告げれば彼女は「近くにそんな」と呟いてから首を振ったのだという。
どうか、足を踏み入れませんよう――
……そう言われれば踏み込みたくなるのは、やはり、人のサガなのかもしれないが。