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傷跡に触れて
登場人物一覧
- タイムの関係者
→ イラスト
名前:柊 吉野
種族:獄人
性別:男性
年齢:15歳(遮那の1つ年下)
一人称:俺
二人称:アンタ、お前、呼び捨て、遮那様(目上には~様、~殿などを使う事も)
口調:基本『だ、だろ、だよな、なのか?』稀に『おらぬ、かもしれんな』等が混ざる。
(目上には少しぎこちない敬語を使うこともある)
特徴:顔に傷のある獄人の少年。赤髪金眼。
設定:
春日村の出身の獄人の少年。
遮那の側仕えで、あまり国外へ出て行けない主の代わりに各地へ赴く事もある。
最初は獄人という事もあり、追い払われているのかと不安になった。
けれど、そうではなかったらしい。
姫菱安奈がそっと教えてくれたのは、その殆どを八百万が占める天香家の家臣の中で、吉野が肩身の狭い思いをしてしまうかもしれないと心配した遮那が自由を与えているということ。
優しい主人であろうと笑う安奈に吉野は大きく頷き、遮那を主君として友人として好きになったのだ。
遮那の友人には御狩明将と浅香灯理がいる。
吉野はこの四人で明将の居候先である星の社に集まるのが好きだった。
ある時、明将が吉野の顔の傷について問うたことがあった。
「これは八百万の貴族にやられた。俺には弟や両親が居たんだけど偶々、京の近くへ行くことがあって……その時にな。皆死んで俺だけ助かったんだ」
仇は取ったのかと問う明将に吉野は首を横に振る。
「遮那様に召し抱えられてから、俺はそいつを探した。でも、大戦の折に死んでたよ。生きてたらぶん殴ってやろうと思ってたんだけどな。まあ、でも実際会ったら殴れねーと思う。俺は天香遮那の家臣だから」
家族の仇を取れなかったのは悔しいけれど。それ以上に今が大切だから。
「だから、こうして四人で集まって話せる、何でもねー時間が楽しいんだ」
失ってしまった過去を吉野は振り返らない。
そんな生き様に、遮那も灯理も、口げんかが絶えない明将とて親しみを覚えるのだ。
大人になっていく程に、会う機会も少なくなってしまうのかもしれない。
だから、吉野は今この時を大切に思っているのだ。