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<宵の狼>竜因の盲目
登場人物一覧
名前:康・有存(こう・あそん)
種族:亜竜種
性別:男性
年齢:18
一人称:俺様
二人称:お前、テメェ呼び捨て
口調:だよ、だろ、だよな?
特徴:覇竜領域フリアノン出身、竜覇(風)、傭兵団『宵の狼』所属
設定:
覇竜領域フリアノン出身の青年。代々、フリアノンでは介護や医療を担当している康家の三男坊。
イレギュラーズがフリアノンに訪れてからと言うものの、三男坊である事もあり、自分がなんともちっぽけな存在であるように感じ取られてから堂々とラサへと出奔。
康家の家族達はどうせ直ぐに心が折れて帰ってくるだろうと追掛けることはなかった。
家族がそう感じる程に、彼は甘やかされて育った青年だった。薬剤の知識にも余りに乏しく、看護医療に関しても手際が悪い。
所謂、一族内では落ちこぼれ扱いされていたのである。
彼がラサへと飛び出した理由はイレギュラーズの一人であったエルス・ティーネに一目惚れしたことが理由である。
エルスに一目惚れた事で彼は「どうせ三男だし家にとっても何の役に立たない俺様」から「彼女のために役に立てる素晴らしい俺様」になろうと決意したのだ。
そして、飛び出した先で彼を拾ったのは傭兵団『宵の狼』である。
何やら幹部達が毎日喧嘩をして殺し合っているが、その治療役を引き受けることになったのだ。生傷の絶えない幹部達の傷を癒やして丁寧に世話をする。
そうして技術を向上させればいつかはエルスが振り向いてくれるのではないかと彼は考えた――考えていたが、エルスに雰囲気の良く似た女は揶揄いながら言った。
「あの子は、
エルスに雰囲気の良く似た女リリスティーネの言葉に有存は酷くショックを受けた。それでも挫けなかったのは『宵の狼』の目的が赤犬を超えることであると識ったからだ。
赤犬をも倒し、ラサで一番の傭兵団(の治癒師)となればエルスだって此方を向いてくれるはず!
そう信じて疑わないポジティブすぎる青年は今日も『魔種達と共に』そのポジティブさを駆使して自我を保ち過ごしている。
エルスがもしもその手を振り払ったら――『赤犬』にしか興味がないと、リリスティーネの事さえも拒絶したならば――彼の精神は簡単に崩れ去るだろう。
綱渡りをするように、彼は日々を過ごしている。
全ては、あの日見た