SS詳細
<宵の狼>ヴァズの疫
登場人物一覧
名前:ガルトフリート
種族:魔種(元精霊種)
性別:不明
年齢:unknown
一人称:我
二人称:貴様、貴殿、呼び捨て
口調:だ、だろう、である
特徴:傭兵団『宵の狼』最高幹部、傲慢の魔種
設定:
ラダ・ジグリの故郷であるラサ西部、比較的深緑に近い地域『ヴァズ』に祀られていた精霊『ギバムント』の守護者にして守人。
代々、ギバムントを祀っていたノヴァ区の遺跡を管理し、疫病の元とされていた精霊を祀り、そして封じ続けて居た存在である。
ギバムントが齎す疫病は深緑で幻想種達が罹患する『石花病』にも良く似た奇病であった。肉体を鋼のように硬くさせ、死の間際に肉体そのものを崩れさせるというものだ。
奇病を齎したのは精霊であるとされ大精霊ギバムントを祀り続けて居た――がある日、遺跡は荒れた。
誰ぞにか荒らされ、ギバムントの祭壇は破壊。その地に大精霊は存在せず、守人の姿さえ喪われていたのだ。
――その様な過去を隠したガルトフリートは魔種と相成った。
己のことを『ギバムント』と思い込み、傲慢にも疫病を『使役』して見せんとしたのだ。それは呪術として擬似的にガルトフリートの力となった。
ガルトフリートは仮面と外套で全身を覆った年齢性別含め全ての詳細を秘匿している。
ひどくしゃがれた声に呪術を得意とし、暗殺術を駆使し続ける。
ガルトフリートは識っていた。誰がギバムントの力を奪おうとしたのかを。
ピオニーと名乗った旅人はギバムントの祭壇を荒らした際にガルトフリートに言った。
――君が一番ギバムントの波長に合っている。真に大精霊の力を手に入れることが出来れば疫病も、その大いなる力さえも手にすることが出来る。
ガルトフリートの一族は秘匿された存在で限られた者しか知らなかった。ノヴァ区でも疫病を管理する穢れた一族だとしてその身を隠して過ごしてきたのだ。
だが、御伽噺にさえ語れるようなギバムントを己の身に宿せたら? こそこそと息を潜める必要などもないではないか。
ガルトフリートは『己がギバムント』であると振る舞いながらピオニーの紹介で傭兵団『宵の狼』に身を寄せた。
『深紅の女王』が砂の都をその手にと望むならば、ガルトフリートはギバムントの名を轟かせ、疫病の恐怖にその地を陥れることを誓うだろう。
ガルトフリートは砂の都等というちっぽけな場所を望んだのではない。世界そのものを手に入れられると信じているからだ。