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SS詳細

エルナ・ペルムの『独り言』

登場人物一覧

エドワード・S・アリゼ(p3p009403)
太陽の少年

名前:エルナ・ペルム
種族:カオスシード
性別:女性
年齢(或いは外見年齢):13
一人称:わたし
二人称:君、あなた
口調:だよ、だね等
特徴:【深緑の髪】【深緑の瞳】【純粋】【頑固】【ロリ】
設定:
 スラム生まれの少女。
 ある経緯から霊樹・ガンダルヴァの種子を宿す巫女となった。
 育った環境は劣悪なれど、たった一人の兄と出会った人々のお陰で優しく真っ直ぐに生きている。
 件の事件にて兄と友人となったエドワードとその仲間に救われる。
 その後、その身に宿した奇運から数多の闇から命を狙われたが再びエドとその仲間に守られ、『世界を見たい』と言う願いを叶えて貰えた。
 以来、エドに対して兄と同じで少し違う感情を抱いている。


【始まりの朝、少女エルナのちょっと長い独り言】

――(呼びかける意志)――
「……うん。おはよう、『ガンダルヴァ』」
――(返す意志及び問う意志)――
「そうだよ、今日から出勤。先ずは、下働きからだけど」
――(問う意志)――
「あはは、仕方ないよ。今のわたしじゃあ、エド達のお手伝いなんて出来ないもの。少しづつ、追いつかなくちゃ」
――(問う意志)――
「大丈夫だよ。ローレットの人達は、皆良い人だよ。ユリーカさんも、プルーさんも。分ってるクセに」
――(疑念の意志)――
「……それは、わたしが言い出した事だから。あの人達のせいじゃないから」
――(提案の意志)――
「そんな事、しなくていい。コレは、わたしが見つけた道。エルナ・ペルムが自分で見つけた意味。手は出さないで。わたしは、自分の力でエドの隣に並ぶの。力になるの。君の手を借りたら、ソレはエドへの裏切りになっちゃう」
――(疑問の意志)――
「んんん!? そ、そりゃそうだよ。あの時、お兄ちゃんを支えてくれたのはエドだし。街をエスコートしてくれたのもエドだし。カッコよかったもの。憧れなの! 目標なの! あくまで!」
――(繰り返し、疑問の意志)――。
「……それ以上詮索すると、髪飾り燃しちゃうからね? って言うか、君ってそんなに知りたがりだったっけ?」
――(自問の意志)――
「まあ、いいや。もう行かないと」

 起きる音。
 支度する音。
 そして。
 戸を開ける音。

「それじゃ、行ってくるね。お兄ちゃん!」


  • エルナ・ペルムの『独り言』完了
  • GM名土斑猫
  • 種別設定委託
  • 納品日2022年07月05日
  • ・エドワード・S・アリゼ(p3p009403
    ・エルナ・ペルム
    ※ おまけSS『始まりと、君への誓い』付き

おまけSS『始まりと、君への誓い』

「エド」
 ローレットを訪れていたエドワード・S・アリゼ(p3p009403)は、駆け寄ってきた姿に驚いた。
「エルナじゃん! どうしたの!?」
「良かった、やっぱり会えた!」
 抱きついてくる少女。
 『エルナ・ペルム』。かつてエドワード達と縁を結び、神域の欠片と人の世との鎹たる事を運命付られた、『普通』の少女。
 その後、ローレットが手配した保護施設へと入居した筈だが。
「何でここに?」
 首を傾げるエドワードに、ニコリと笑って。
「わたしね、ローレットで働くの」
「何て!?」
 びっくりした。
「どうして!?」
「あのままだと、ひょっとしたらもう会えないかもって思ったから。ここで働けば、会えるでしょ? エドにも、皆にも」
「そ、そりゃそうだけど……」
 疑問。
 ローレットの職員になるのは難しい。相応の強さも、知識だって必要。
「そうだね。わたし、強くないし。何なら頭もそんなだし。ま、ソレはこれから頑張る」
 不足は、生きて来た環境によるモノ。彼女のせいではない。悲観する事無く受け入れ、克服する意欲を持つ事は長所。
 ただ、それではローレット就職の足しにはならない。となると、彼女が何かしらの特殊条件を持っているとしか考えられない。全ての前提条件を反故にしてなお、お釣りが来る程に魅力的な何かが。
 そこまで考えたエドワードの脳裏を、ある可能性が過ぎった。
 持っている。彼女は、あらゆる魔法関係者が涎を出して欲しがる『秘宝』を。
「お前、まさか!」
「あ、分かっちゃった?」
 悪戯がバレた様に、ペロッと舌を出す。
「わたしが死んだら、『ガンダルヴァの種が入った心臓、寄付します』って契約しちゃった」
 エドの心臓が、ヒュッてなった。
「ばっ……! お前!!」
「わたし、死なないよ」
 怒る前に、言われた。
「私は、死なない。エド達に、守ってもらった命だもん。でも、エド達の力にもなりたい。見つけた意味だよ。その為なら、出来る事はする」
 見つめる目は、彼女の兄と同じ。
 己の身に代えても、彼女を救うと願った彼の。
「……分かったよ」
 そう、分かっているのだ。この瞳の頑固さも。
 そして、その崇高さも。
「だけどさ、無理はしちゃだめだぞ。何か困ったら、ちゃんと教えろよ?」
 ――絶対、守るから――。
「……うん……」
 言葉の奥の優しさを知って、霊樹の巫女は微笑む。
 先の理由は真実だけど。
 ここに根を張る意味はもう一つ。
 実る実らないは、また別で。
 ただそっと、育てたいと願ったから。

 青い春の香りが、そっと流れた。

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