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清河になれず

登場人物一覧

耀 澄恋(p3p009412)
六道の底からあなたを想う

名前:溝口・大河(みぞぐち・たいが)
種族:精霊種ヤオヨロズ
性別:男
年齢(シナリオ登場時の見た目):50代
一人称:儂
二人称:お前、呼び捨て
口調:~ぞ、~じゃ、~か?
特徴:地の精霊種、小太り、地方地主
設定:
 高天京から然程離れてはいない村の地主の男。溝口は古くから続く家で、開墾して全て溝口家の田畑であった地を他人に貸し与え、そうしてその地は村となり、溝口家は地主の家となった。
 溝口家の評判は先代の時までは良かったのだが、大河の代になっては人々が寄せていた信頼は絶たれた。

 大河の興味は、若い頃は金であった。
 早くに先代が病で亡くなり、大河は自身が贅沢をするために年貢を引き上げた。不作であろうとも率は変えず、特に鬼人種に対しては税率を上げ、払えぬのならば村から出ていけ、田畑を取り上げてもいいんだぞ、娘を売ればいいだろうと冷めた言葉で切り捨てた。大河はそうして得た金を趣味や遊びに費やした。
 歳を経てから、興味の矛先は『生』へと変わった。
 例え長命種の身であろうとも、先代のように病で亡くなるかもしれない。
 開国をして以前より見知らぬ者等が彷徨くようになったため、何かの拍子に殺されるかもしれない。
 健康で、靭やかで、若い体を保ちたい。
 男はそう願った。

 金持ちが望めば、囁く者が現れるものだ。
 村に立ち寄った、とある商人がこう口にした。
『――万能の妙薬に興味はないか』
 聞けば、珍かな薬が大変体に良く、それはみやこの貴族等の間でも流行っているのだとか。半信半疑ながらも興味を隠せず、また京への憧れを抱く地方の男は、ソレに手を出した。気分かもしれぬが、薬は効いたように思えた。
 商人が言った。高価な薬でございます。
 金ならあった。しかし、高い薬を買い続けてはいずれ尽きるだろう。
 商人が囁いた。旦那様、でしたら斯様な手は如何でしょう――。

 男たちの商売に手を貸した。
 奉公先を探す郊外の鬼人種を受け入れ、京で金に困った若い鬼人種の娘を嫁に迎え、『出荷』する。
 最初は鬼人種の命には関わらず、『勉強してもらえる』からと仲介したにすぎない。
 けれどひとは、欲が出る。大河は自ら製薬できぬものかと考えた。
 商人は良い顔をしなかったが、最終的には承諾した。始末するのは簡単だが、使える駒は減らぬ方が良い。幾分か分け与えれば大河はまだ働いてくれる。
 そうして大河は、金で迎え入れた娘から『奪う』ようになった。

  • 清河になれず完了
  • GM名壱花
  • 種別設定委託
  • 納品日2022年08月07日
  • ・耀 澄恋(p3p009412
    ※ おまけSS『万能の妙薬『般若湯』』付き

おまけSS『万能の妙薬『般若湯』』

 表向きの罪状は、横領。
 表に出せぬ罪状は『人身売買』『鬼人種の殺害』。

<美しき珠の枝>花信風のしらせ:https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/7749


 大河が手にした薬は、『般若湯』と呼ばれている。
 般若湯と言えば、僧侶たちの隠語で酒をさすものであるため、偶然耳に入った者が居ても酒だと思うことだろう。
 基本的な材料は、鬼人種の角や牙。骨である場合もあるようだが、角や牙の方が限られているため価値が高い。
 大河はそれらの部位や鬼人種が好きなのではなく、ただ薬としての効能が見られるかどうかのみに興味を抱いている。そして、健康な鬼人種であるほどその効果が得られる、と。

 大河は多くの命を奪った訳ではない。角や牙を奪い、後は『商人』――組織の者等に引き渡す事が殆どであったため、自分の罪は軽いと刑部で話した。痛みにより絶命した者等がいたとしても、それはただ、運が無かったのだと大河は思っており、殺害に関しては大河は否認している。

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