SS詳細
ちょっと愛が深いだけの元婚約者
登場人物一覧
名前:アレス
一人称:俺
二人称:きみ
口調:~だな、~だろ、~だろう?
特徴:黒猫の半獣人、黒い服を好む
設定:
鈴音の幼馴染であり、元婚約者。鈴音の家が商いしていた薬屋などを含めた一帯を支配していた大富豪の跡取り息子で、店番をしていた鈴音に一目惚れして婚約の話を持ち掛けた。
可愛い可愛い鈴音、結婚したら特別にあつらえた部屋でいつまでも着飾って俺の事を待っていてくれよ。なんて思っていたのもつかの間、鈴音は特異運命座標として行方不明になってしまう。
まさか嫌われた!? と斜め上に思考をぶっ飛ばした若様、ものすごい勢いで鈴音を探し回るが彼女は見つからない。涙で枕を濡らす夜が幾夜も続いた。
数か月が経ち、鈴音は行方不明のまま。両家同意のうえで婚約解消となったが、アレスは諦めなかった。半ば家出のような事をして、鈴音を探し始めたのだ。
結婚より何より、鈴音が見付かるのが何より大事。万が一何かあったら耐えられない。何が何でも見付けてみせる!
そんな気持ちで森を散策していた時、謎の光を見付け……
――アレスもまた、旅人として混沌の招待を受けるのであった。
これまでの常識が通じない世界でも、アレスはめげない。此処ならばもしかしたら、鈴音がいるかもしれない。ていうかいた。今すれ違った! 鈴音を俺が見間違える筈がない!
見付けた鈴音に大慌てで駆け寄り、其の手を取る。
「アレスさん」
驚いたように鈴鳴る声を聞きながら、アレスは思いのたけを込めて――
「結婚してくれ!!」
勿論返事はNOである。そりゃ突然出会った知り合い(たぶん)にそんな事言われたらねえ……
アレスはありとあらゆる順番を間違えたのである。だがめげない事には定評のある彼。これからただ一人の“アレス”という男として好いて貰おうと、鈴音の傍に現れては何か困っていないか、手伝う事は無いか、と声を掛けるようになるのだった。
流石の一目惚れ。全くこの男、諦める気配がない。
人は彼のような男をこう評する。「残念なイケメン」と。