PandoraPartyProject

SS詳細

ずっと一緒にいられますように!

登場人物一覧

ジルーシャ・グレイ(p3p002246)
ベルディグリの傍ら
ジルーシャ・グレイの関係者
→ イラスト

名前:アイラマルコ
種族:魔種(元精霊種)
性別:不明
年齢(或いは外見年齢):?
一人称:私/僕
二人称:あなた/君
口調:~なのね、~よ/~だね、~だよ
特徴:【男らしい】/【女らしい】
設定:
 ヴィーザル地方のいっとう明るい空の星を、ノルダインの一部の民は「アイラマルコ」と呼ぶ。雪に閉ざされた土地で、目印にする星だ。まばゆく光る星は、この土地で生きる者たちの目印である。けれども、彼らは同時にこうも言う。
 あの星が出ている間は、子供を一人にしてはいけないよ。
 雪の中で声を聞いたら、返事をしてはいけないよ。
 腹を空かせた精霊に、きっと攫われて、食われてしまうから。

『「生まれ変わってもずっと一緒にいられますように」』
 あるとき、脱走してきた鉄帝国の兵士を、とある部族の族長の娘が介抱した。鉄騎種の脱走兵と、精霊種の血を引く娘。互いに違うところを持つ二人は、深く深く愛し合ってしまった。アイラとマルコは、星を目印に駆け落ちをすることにした。星は二人を導いた。険しいラフトン山を越えて、新しい土地に……。
 けれども、冬の寒さは二人を赦さなかった。燃料も食料もとうに尽き果て、それでも二人は熱心に祈った。
 哀れに思った星は、二人を一緒にいられるようにしてやった。寄り添いあい、互いを喰らいあった二人は一つになったのだ。――アイラマルコとして。
 祝福は呪いとなって飢えは残り、満たされない寂しさを埋めるように、「二人」は今度は子どもを求め始める。
『ねぇマルコ、子供はどのくらいほしい?』「そりゃあもうたくさんさ!」
 子どもを食べて、取り込んで、「ずっと一緒」になるために。
 たくさんの家族をつくるために。

 雪解けと春の香りに惹かれるように、魔種『アイラマルコ』は目を覚ます。もともと、何者かの手によって、覚醒は時間の問題だった。
 それが早まったのは、世界にとって幸か不幸か――。

おまけSS『アイラマルコ』

 アイラマルコは、ノルダインの各地に伝わっている話であり、様々なヴァリエーションを持つ。
 アイラマルコが輝くのは怖ろしい凶兆であるとする部族もいるし、あるいは「これから新しい時代が来る」と占う占師もいる。
 アイデの一族では、こうである。
 戦士の魂は天に昇る。空の星、アイラマルコに気に入られれば、戦士たちは天に昇ってどこまでも戦い続ける――。
 兄も果たして、戦いの輪廻の中にいるのだろうか。
 ラグナルは空を見上げる。
 亡くなった戦士と狼をたたえるために、火をくべ、捧げものをもって送り出す。
――近頃、獣の子供が少ないのだ。子供の生まれる数もまた、減っている。さしたる原因を、アイデの族長たるラグナルの父は「鉄帝国」に求めている。よそ者が荒らすからこそであるという。
(なあ、ジル、アンタらが呼び込んでくれた風が、凶兆なんてことは思えないよ、俺は)
 アイラマルコは、気に入らなければ、何もかも喰らいつくす激しさを持った神だという。

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