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筆にくれなゐ

登場人物一覧

十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
十夜 蜻蛉の関係者
→ イラスト

名前:槐(えんじゅ)
種族:鬼人種
性別:男
年齢(或いは外見年齢):27歳
一人称:俺
二人称:お前さん、姐さん、嬢ちゃん
口調:ねぇナ、ねぇヨ、ねぇカ?
特徴:気前がいい、女癖が悪い、色男、実は仕事人
設定:
 豊穣出身の『化粧師』を名乗る男。
 芸事に励む者も春を売る者も、己で化粧を施すのが当たり前であった。
 しかしこの男は型破りな性格で、自信家であった。己のほうが美しく出来ると女たち相手に啖呵を切ったのだ。
「ひと華、この筆で咲いてみねェ? 景色が違って見えっからヨ」
 ひとりがそれじゃぁと彼に任せ、それから彼の噂は一気に広まった。
『聞いたことある? 化粧師の兄さんの話』
『化粧師ってなんだい?』
『さあ? そう名乗っているそうよ。そんな事より、彼ってすごいらしいの』
『けど悪い噂も聞くわ』
『そうなの? いい男って噂じゃない』
『それがいけないのよ。本気になったら火傷じゃ済まないわ』
 男の化粧の腕前の噂には、常に女癖の悪さの噂もついてくる。
 それでもいいわと惚れ込む者が後を絶たず、男も気軽に手を出すものだから性質が悪い。女同士の諍いとなっては店側から『もう来ないでくれ』と告げられ、男は転々と移動しながら――それでも女たちを美しくして廻る。
 褥の上では幾度も甘い嘘を吐く男だが、一度化粧筆を持てばその筆は嘘を吐かずに美を追求する。
 ――普段の軽薄そうな様子と仕事時の真剣な表情のギャップに落ちてしまう女も多いのだそう。

 槐本人も自身の女癖の悪さは自覚しているが、悪いとは思っていない。
「俺は花の周りをひらひら舞う蝶みてぇなものだからヨ」
 甘い香りで花たちが誘うのだから、花に一時止まって蜜を吸うのが蝶の義理。
 けれど。
「一途に好いてる男がいるような女に手をだすほど野暮じゃねぇヨ」
 片恋している女の相談に乗ることもあるのだそうだ。そしてそのアドバイスはかなり的を得ており、彼に恋心を抱かぬ女は恋愛相談をしたいがために招くことも。

 蜻蛉とは、あくまで客と顔屋の関係である。
 蜻蛉自身は槐のことを人としてあまり好いてはいないが、腕は買っている。その時の気候や体調から、一番似合う色を選んで彩ってくれるのだ。
 蜻蛉からの好意が低いことを知りながらも軽い言葉を投げかけるのは、美しいかんばせが少しだけ険しくなるのを見るのが好きだから。そしてある程度気心が知れていないと、彼女がその表情を見せないことを知っているからだ。

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