武者修行

登場人物一覧

名前：紅蓮
一人称：俺
二人称：アンタ、呼び捨て
口調：だな、だろ、だろう？
特徴：笑顔が可愛いワイルド系イケメン、高身長
設定：
　紅蓮は、赤く長い二本の角を持つ鬼人種（ゼノポルタ）である。
　生まれは豊穣（カムイグラ）の寒村で、例に漏れず精霊種（ヤオヨロズ）からの迫害を受けながら、両親とともに貧しい生活をおくってきた。父母はいつも「楽な暮らしをさせてやれなくてすまない」と口にしていたが、紅蓮は一度も自身が不幸だと感じたことはないし、気にしたこともなかった。
　何故なら紅蓮は根っからの明るい性格で、下を向くよりも前や上を向いていつも笑う子供だったのだ。前や上を向けば、美しいものや綺麗なものが視界いっぱいに入ってくる。そうするといつだって紅蓮の気持ちはキラキラとした輝くもので満たされるのだ。
　ある冬に、流行病で両親が亡くなった。
　それでもやはり、前を向いた。父母が居なくなったのなら村にいる理由はない。
　村を出て、生き残るために自己流で体を鍛えながら旅をした。
　ある日神殿に喚ばれた後も、それは変わらない。

　オルク（p3p010603）と出会ったのは、偶然だった。
　最初に街中で偶然すれ違った時、美しい黒髪が風に靡いて輝いていた。射干玉の髪に目を引かれてすぐに振り返ったけれど、その姿は雑踏の中へと消えた後だった。
　次に出会ったのは戦いの場で。商隊の護衛をローレットで引き受けた紅蓮が野党と戦っている場に、偶然居合わせたのが彼だった。雇い主を庇いながら戦っていると、いつの間にか現れた彼が肩を並べて戦ってくれていた。あの時の彼だとすぐに解った。
　美しく舞う黒に、顔の横だけの白がその白皙を際立たせる。すらりと線の通った鼻梁に長いまつ毛の整った顔立ちに、無駄のない流麗な動きで襲いかかってくる野党を相手にする姿。戦いの最中だと言うのにその美しさと強さに見惚れ――紅蓮は名も知らぬ美しい人に、恋に落ちていた。
　野党を退治した後、感謝の言葉を告げ――次にまろび出たのは愛の言葉（こくはく）だった。当然断られた。理由など聞かなくとも明白。出会ったばかりで告白など、信じてもらえる筈もない。人柄さえ知らぬ間がらなのだから。
　それから何度も彼に好意を伝えてきているが、今の所反応は芳しくはない。

　きっと、いつか。
　この想いが彼に届きますように。
　そして彼を守れるくらいに強くなれますように。
　紅蓮はそう願い、今日も己が武を磨くのだ。