SS詳細
PC分析表(イルミナ・ガードルーン) 胡狼蛙ver.
登場人物一覧
・印象
「はじめまして、マスター。まずは当機の初期設定をお願いします」
ステータスシートのこの文とボイスで大体の方が彼女をロボット、ないしはそれに準じたキャラクターと見るかと思う。
プロフィールを覗けば予想の通りロボット。ギフトの効果も相まって分かりやすく相手に認知させる事が可能だろう。
普段は再現性東京、希望ヶ浜学園の学生として生活しており、未来科学部としての部活動や、友達と遊んでいるピンナップも見られることから、
しかしその内面には自らがロボットであるという事の劣等、他者とのズレ、日々が楽しいからこそ感じていく相違と心の綻びが彼女を眺めていく上で大事な要素となるのかと感じる。
あるシナリオでぶつけられた『家電』という言葉。笑っても怒っても辛くても嬉しくても、どうしようもなく彼女はロボットであり人から外れた身。
レンズからは涙は出ず、ただ己の中で汚れ、黒い泥として溜まっていくのみ。
平和の裏でチラつく影はこの後どう展開していくのか。
・長所と分析
可憐な姿から中々の強烈なギフトを持っていると思いました。強制的に言う事をきかされるというのは設定的に言わせれば納得。PLとして見れば動かしていく上で難しそうな要素かなと。
〜ッス語尾、元気、学生、なんとも後輩な空気を漂わせてくれる子で可愛さしかない。
だからこそその裏で流れぬ涙を流すのが最高に映えるのだ。
『人間になりたい』という彼女にとっての命題は、人間の範囲をどう解釈するかにもよって変わる。
多様な感情があれば人間、言葉を話せ意思疎通が出来れば人間、はたまた外見が人型なら人間。様々な意見があることだろう。
どう足掻いても変わらない機巧少女は、苦しみの果てに己の中にどう落とし込むのか楽しみだと思いました。
その苦しみこそが人としての心の汚れ、人間臭さの表れなんだと教えてあげたい。
・プレイスタイル
交流もするし遊ぶが、大事な所は一人で道筋を決めて進めていく方に見受けられました。イルミナさんで例えるなら、交流は学園生として遊ぶが、シリアスな場面は自分、或いは余程PC間で信頼関係を育んだ人とだけがいいのかなと。
外部でもPLとしての言葉ではあるが、口調はロールプレイで動く。人当たりも柔らかく、優しい印象を持つ。
そこに併せて自分の意見がある時はハッキリ言う事も。
かわいい。
・その他雑記
如何でしたでしょうか。
凄く主観交じりではありましたがこの様な感じになりました。
学園服着ているイラストがかわいいの暴力なので皆見て欲しい。ロボットとか関係ねぇ。かわいいんだ。
人に憧れる人外という物自体は他の創作でも見ることもあるでしょうが、進行形で進んでいる彼女の物語は何処か近くで見たくなる。関わりたくなる空気をだしてくれる素敵なキャラクター様だと思います。
いつか何処かで道が交わればいいなぁと思いつつ、今回はここで終わりたいと思います。ありがとうございました。
・おまけ『その心はどこから生まれたのか』
「それでは署名を此方にお願いします」
「はいっス!」
ローレットに訪れた学生服姿の少女。何処にでも居る元気な少女のようで、その実
「これで大丈夫ッスか?」
「はい、本日はこれで終了です。お疲れ様でした」
「お疲れ様ッス! あ、休憩していくんでマスターミルクをお願いするッス」
そう言うと背を向けて席を探すイルミナに職員は思う。
「(人間、だよなぁ)」
よくよく観察すれば、彼女が機械の身体である事がわかる要素は見つけられる。しかしただの人間、その道に詳しくない職員からすれば、ヒトと言ってもなんら問題無いくらいにしか見えないのだ。
席に着き、分析表を確認する彼女の表情が僅かに歪む。何処の部分に引っ掛かったのかはわからないが、分かりやすい反応だ。
人から見れば、イルミナという少女は人間だ! と言う人も多いだろう。しかし彼女にとってはそうではない。笑えるだけでは、怒れるだけでは足りない。
自分を強く人間と思える現実と"自信"が欲しい。プログラムのバグなんかではないと言える何かが欲しいのだ。
この想いは果たして強欲なのだろうか。叶わぬ願いを追い求めるのは間違っているのだろうか。
己に黒い何かが生まれている事に苦しみながら、イルミナは今日も願う事はやめない。