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SS詳細

アルビレオ、氷の骨を持つ亜竜

登場人物一覧

ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼

名前:アルビレオ
一人称:我
二人称:其方
口調:だな、だろう、なのか?
特徴:もふもふ、好奇心旺盛、平和主義、やればできる
設定:
 ――其の亜竜は、氷の骨を持っていた。
 かつて覇竜に存在していた亜竜のうちの一匹で、氷を操る亜竜のもとに生まれた。
 しかし彼は文字通り“骨の髄から冷え切っていた”ので、母親は彼を育てられず、自然に任せる事にした。いってしまえば捨てたのだ。
 運よく亜竜はすくすくと育ち、自然が護る必要がないほど屈強に、そして巨大になった。けれども、彼は争いを終生好まなかった。自らを守る術に長け、氷の骨がもたらす力による防御結界で無用な干渉を避けていた。

 そうやって生きていたある日、彼は小さな存在(いわゆる亜竜種だ)と出会った。
 アルビレオは敬意をもって接した。かつては己だって、一人では何も出来ぬほど小さかったのだから。迷えるものには道を示し、警戒するものには静かに佇み、敵意がない事を示した。
 そうしているうちに、アルビレオの元を訪れる亜竜種は一人、二人と増え……やがて彼は其の白い体躯の美しさもあってか、信仰の対象となった。彼は其れを拒まなかった。信仰されるような大層な事はしていないが、其れで皆の心が穏やかになるのなら、と受け入れたのだ。
 亜竜種たちは彼が自然の中で雨風を凌いでいる事を悲しく思った。なので彼が入れるような大きな神殿を作り、アルビレオを招き入れた。其の頃にはすっかりアルビレオは老いていて、其の神殿で穏やかに最期を過ごす。厄介事は持ち前の結界で退け、破られれば亜竜種が其れを討ち果たした。そうやって、穏やかな亜竜と亜竜種は静かに共生していた。
 けれど、どんな存在にとて終わりの時は来る。彼は己の終焉を悟ると、持てる力の全てを使って神殿を凍てつかせた。氷が永遠であるようにと、文字通り死力を奮って神殿を氷で飾り立て、侵入者を遠ざけた。其の氷は屈強で、どんなに眩い陽光も、今もなお其の氷を溶かす事は叶わない。
 そして氷の亜竜は言う。己の存在を隠し、決して人目にさらさぬようにと。見ず知らずの輩に、己の骨を使わせてはならないと。
 ――其の意志はいま、二人の神殿巫女に引き継がれ。氷の恩恵そのものである彼の魂は、神殿の奥深くに眠っている。

  • アルビレオ、氷の骨を持つ亜竜完了
  • GM名奇古譚
  • 種別設定委託
  • 納品日2022年04月18日
  • ・ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535

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