SS詳細
PC分析表(百合草 瑠々) 胡狼蛙ver.
登場人物一覧
・印象
果たしてPLである自分が混沌の世界に召喚されたとして、この過酷な世界で生きていけるのだろうかと考えると、数日、否、下手すれば数時間も保たずに生命が消えてしまうのではないか。それほどまでに
『日本』からやってきた彼女のステータスシートを眺めて先ず思った事である。
特段変わった所も無い18歳の少女が、突然大神殿に召喚され、震えながらも武器を持ち、この世界で生き抜くというのは見る側からすれば大層なストーリーではあるが、当事者である彼女からすればたまったものではないだろう。
心の陰鬱、鬱屈を抱えた彼女がそれに耐えられる筈も無く、元来抱えていた希死念慮は拍車が掛かっていそうだ。
しかしその願望とは別に、薬に頼ってでも自己を律して前に進む姿は『生きたい』という本能は死んでいないのかと想像する。
幸か不幸か、確かに世界は瑠々が死ぬことを許してはくれなかった。死にたい心と生きたい本能。相反する死生の道は彼女を壊すのか、それとも強く在るトリガーとなってくれるのか。今は本人も分からない要素だ。
・長所と分析
先ず個人的に面白かったのは、ステータスを眺めて目に付いたEXFの数値である。
100を超えたEXF型ビルドであった。上記で希死念慮と記したが全然死ぬ気が無いステータスをしている。
これは理不尽なこの世界を
HPや防御技術が高ければタフ。特殊抵抗が高ければ特異体質。様々な解釈が付けられる訳だが、EXF特化ならばギリギリな所で生き残る事ができるキャラクターとして魅せる事もおかしくはない。
・プレイスタイル
相談はキチンと数字を詰めて挑むタイプか。或いは相談相手達のスタイルにある程度スタンスを寄せて変えていけるタイプ。
外部では基本的にRPを崩さず他と交流する。キャラクター性を優先している節は見受けられたので、その嗜好に合致した人と仲良くしているイメージ。
世捨て人のような、気だるげなRPと外部(PL)の交流は中々難易度が高そうに見える。私も話した事はあるが、RPとPL交流故の食い違いを感じなかった事から、上手く寄せて話してくれているのだろう。
・その他雑記
如何でしたでしょうか。
あくまで私の主観によるものですのでそこはご了承くださいませ。
此方は此方として書かせて頂きましたが、幾らか要素は被っていた所はほぼPL様の良い所だったかと思います。
儚げでありそうで根性もありそうな少女。本人はもう嫌だと思っていそうですがどこまでも生き汚くこの世界を歩いて欲しいキャラクターです。でも喉掻きむしるのは痛そうだからほどほどに。
見上げた星に手が届くといいなぁとロマンチックな一面に歳相応の少女を感じながら、今回はここで筆を置かせて頂きます。ありがとうございました。
・おまけ『ゴシック少女』
「あざっす」
そう言いながら分析表を受け取る瑠々の顔は不機嫌を隠そうともしない。
依頼相談も無く惰眠を貪ろうとした所で紙ペラ受け取るために呼び出されたのだからそうなるのもおかしくはない。
「お、お疲れ様でした」
初対面でも分かる不機嫌オーラに職員は圧されながらも声を掛ける。
「はぁい、これってハンコは後でいいんすか?」
確認した署名なんて必要か? と思いながら、出来ればと後日適当な日だといいなと言外に希望を持たせて聞いてみるが。
「あ、出来れば今お願い……できれば……」
少女に圧される職員。なんともなんともである。
「うっす。んじゃ、そこ借り……ますわ」
一応敬語でないとマズいと思ったのか若干どもる瑠々。どかりと椅子に座るとペンを持ち署名欄を探して捲る。読む気もそこまで無い。活字だし。
「あん……?」
そこでふと目に入った言葉。
『死にたい心と生きたい本能』
動きを止め、その文を眺める。不機嫌な顔は更に渋面を作り。
「……チッ」
自分で思うならまだしも、誰が書いたかも分からないやつに言われるのは。
「なんか嫌だな……」
分かった気でいるんじゃない。
少し膨れた頬のまま、職員へ署名を渡しローレットを後にする。
「なんか食って帰るかぁ」
せめて何か美味しい物でも食べてこの気分を晴らそうか。