PandoraPartyProject

SS詳細

「我が糧にならんことを」、なんて。

登場人物一覧

百合草 瑠々(p3p010340)
偲雪の守人
百合草 瑠々の関係者
→ イラスト

名前:響谷 透(ひびや とおる) 

種族:旅人(ウォーカー)

性別:女

年齢:18

一人称:私

二人称:君、呼び捨て

口調:だね、だよ、かい?

特徴:気まぐれ、トリックスター、強欲、悪気はない

設定:
 瑠々と出身世界を同じくする旅人の少女。元の世界に於いては瑠々が通う学校の同級生であった。
 性格はマイペースながらも人当たりが良く、元の世界でもクラスのアイドル的な存在として人気が在った。
 ……その性格の根幹は、この無辜なる混沌に訪れるまで終ぞ顕わになることは無かったわけだが。

 実際の彼女は、嘗ての世界の友人が思うほど清廉な存在ではなかった。
 彼女にとっての世界は、自身に益するものと自身を害するものの二種類しか存在しない。前者に対しては良き隣人のように振る舞い、己を裏切らない限りはその関係を維持し続けるが、後者に対しては道端の蟻を踏みつぶすがごとく、何気ない思いでその存在を蹂躙する。
 こう聞けば、彼女が取る対応は相手の出方次第とも受け取られるが、それは違う。
 上述のカテゴリはあくまで『彼女自身から見て』のものである。より具体的に言うのであれば――彼女にとって元居た世界では存在しえなかった人間種以外の存在は、その内心が善性であるか否かも関わらず、総てが「気持ち悪いモンスターみたいな存在」なのだ。
 ――「ゲームと同じだよ。殺せば経験値になる。アイツらも全部経験値にしちゃおうか」――
 ……彼女はそのような存在を確認した時点で躊躇いなく殺すことを良しとし、また実際にそれを実行し続けてきた。
 そうした来歴もあって、現在の彼女の実力はこの世界の混沌肯定を経て尚、世界のトップクラスに手を届かせつつある。

 瑠々と透の関係は健全なものではない。瑠々からした彼女は自身を虐めていた存在であり、また徹からして瑠々は目障りだから追い払いたかった虫と同義である。
 現在に於いてその関係は離別により解消されている。が、瑠々にしろ透にしろ、この世界に流れ着いた時点で「向こうもまたこの世界に辿り着いた」可能性をその胸中で否定しきることが出来てはいない。
 仮に、透が瑠々と対面した際。彼女は以前と同様に(或いは以前よりも苛烈に)目障りな瑠々を排除することを躊躇わないだろう。
 ……ならば、果たして現在の瑠々は、若し透と再会した時、何を思い、どのように行動するだろうか。

おまけSS

 人間種以外を躊躇なく殺害する透ではあるが、現在に至るまでその凶行が他者に見咎められ、指名手配となったことは一度も無い。
 これは彼女が有するギフトに起因している。
『ジョン・クリスティの隠し方』。一定以上の確実性を以て視覚的に隠蔽した物品等が見つかる確率を、短期間の間大幅に低下させるという能力。
 彼女はこのギフトの効果を自覚したのち、文明的に未発達な町村を訪れてはそこに住まう他種族を殺害してその死体を隠した後、発見される前に別の村へと旅立っていくという方法を取り続けてきた。
 結果として、今なお透を疑う者こそ在れど、その殺害を明確に糾弾することは未だ誰も出来てはいない。
 先にも言ったように、文化のレベルが低い村の住民たちはそうした疑念を追求する手段を思いつかず、またそれを他の人里に周知させる手段にも乏しいためだ。

「君、随分と綺麗な翼をしているんだね。
 飛行種? ああ、やっぱりそうなんだ。……ねえ、少し向こうでお話ししないかい?」

 だから、彼女は今日も、平然とした表情で村々を渡り歩く。
 旅の傍ら、『ちょっとした経験値稼ぎ』を兼ねながら。

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