SS詳細
『滅び』を拒む者
登場人物一覧
名前:琅・冬栴(ろう・とうせん)
一人称:僕
二人称:君、~さん
口調:だ、だよ、だよね?
特徴:【大きな角】【東洋龍】【足がきれい】【強がり】【ツンデレ】【根は真面目】
設定:
覇竜領域デザストルを出身とする亜竜種の少年。非常に整った容姿をしていながらも、その内面はませた子供そのもの。
尤も。そうした態度の根幹は心優しく真面目であるため、相手の対応次第では直ぐに『地』が出てしまうのもご愛敬である。
冬栴の出身はデザストルの集落である。元々子宝に恵まれなかったその地では年々人口が減りつつあるため、久方ぶりに集落内で生まれた冬栴を周囲の人間は総出で可愛がっていた。
……彼の斜に構えた態度は、そうした「構われすぎて嫌気がさす」と言う、一種の飼い猫じみた理由によるものが大きかったりもする。
尤も、彼の周囲に関する反応に対して、集落は先の理由から時とともに限界を迎えつつある。
自分たちの集落が風化し、忘れ去られることを良しと諦観し、またそのために他の集落、乃至他者との交流を抑えてきた『家族』に対し、冬栴はそうした運命と、それらを呑み込んだ集落の人間への反抗から、生まれ持った住処を飛び出したのだ。
――少しばかり重くても、自分に無償の愛を注ぎ続けてくれた彼らの代表として、この世界に名を残してやる。
それこそが現在、冬栴が冒険者として生きる理由である。(人に語ることは絶対に無いが)
決意を固めた彼に運命が味方したのは、あるいは必然だったのかもしれない。
生きる目的を定め、集落を飛び出した彼は、その後にどうするかを考えるよりも早く、空中庭園に召喚されたのだから。
――特異運命座標。悪しき滅びから世界を守り、また世界を救う存在。
自らの在り方を証明するかのようなその誘いに、冬栴の答えは最初から決まっていた。
集落の緩やかな滅びも、世界を襲う巨大な滅びも。
冬栴にとっては、等しく守り、救うべき存在であることに変わりはなかったのだから。