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SS詳細

ノノ・ブレイク・ダウン。或いは、闘争の日々…。

登場人物一覧

シャルロッテ・ナックル(p3p009744)
ラド・バウB級闘士
シャルロッテ・ナックルの関係者
→ イラスト

名前:ノノ・ブレイク・ダウン
種族:人間種(カオスシード)
性別:女性
年齢:19歳
一人称:アタシ
二人称:アンタ、オマエ
口調:~だね、~だよ、~だぜ
特徴:筋肉質、長身、褐色肌、ラド・バウC級闘士
設定:
身長197センチの“女傑”。
鉄帝の辺境にある女性だけの少数部族出身。
彼女の生まれ育った故郷は過酷な土地にある。そのため、生き抜くためには強さが何より重要だ。実際に彼女の一族の者は皆、力こそ全て、という考えが強い。
強ければ全てを得て、弱ければ全てを失うのだ。弱肉強食という自然の摂理に基づけば、その思考回路は至極当然といえるだろう。
そんな一族において、ノノは誰よりも強かった。齢15を迎える頃には、部族に彼女よりも強い者はいなくなっていた。
誰もが次期族長はノノで決まりだと噂した。
誰もがノノに首を垂れ、ノノを讃えた。
次期族長の椅子を賭けてノノに挑戦しようという者は誰もいない。
なぜならノノが最強だからだ。生まれ持った頑強かつ強靭な肉体と、野生の獣よりも鋭い感覚。人の骨さえ素手でへし折る腕力。
それだけのものを備えながら、ノノの戦闘力は未だに発展途上であった。
ゆえにノノは退屈した。
故郷での生活で得られるものはこれ以上何もないと悟った。
そして、ノノは絶望した。
族長に就任してしまえば、自分は里に縛り付けられることになる。そうなれば、これ以上強くなることは出来ない、と。
強さを至上とする一族に生まれ育ったノノは、誰よりも一族の生き方に肯定的だった。
だから、彼女は里を抜け出すことに決めた。空に月のない暗い夜、僅かな食糧とナイフなどの小物だけを鞄に詰めて、ひっそりと旅に出たのである。
その後、各地を転々としたノノは闘技場に流れ着いた。
各地から腕自慢の集まるその場所で、ノノは何度も敗北を重ねた。
世界は広い。
自分よりも強い者はまだまだ多い。
つまり、自分は今以上に強くなれるということだ。

ラド・バウでの戦いを続けるにあたって、ノノは先輩の闘士から「強くなるには好敵手が必要だ」という話を聞いた。
こいつにだけは絶対に負けられないという思いを原動力にして、人は強くなるのだと言う。なるほど確かに、故郷には好敵手と呼べる存在はいなかった。
ノノとシャルロッテ・ナックル(p3p009744)の因縁のはじまりは、きっとその日だったのだろう。こうして2人の闘争の日々が幕を開けたのである。

  • ノノ・ブレイク・ダウン。或いは、闘争の日々…。完了
  • GM名病み月
  • 種別設定委託
  • 納品日2022年02月22日
  • ・シャルロッテ・ナックル(p3p009744
    シャルロッテ・ナックルの関係者
    ※ おまけSS『ラド・バウの日常。或いは、闘争の季節…。』付き

おまけSS『ラド・バウの日常。或いは、闘争の季節…。』

 青い空に乾いた風。
 肉を打つ鈍い音が響く。
 観客のざわめき、次いで喝采。
 褐色の拳がシャルロッテ・ナックル(p3p009744)の腹部を打ったのだ。
 腹から背へと突き抜けた衝撃が、2メートル50センチの巨躯を宙に浮かせる。
 開幕のゴングが鳴ると同時に、ノノ・ブレイク・ダウンは石畳を蹴って駆け出した。
 眼前に立つ好敵手だけをその目に移し、弾丸のようにまっすぐ、疾く。
 走る勢いを乗せた拳を、低い位置から抉り込むように打ち込むノノ必殺の一撃だ。生半可な鍛え方では耐え切れない。事実、ノノの拳を受けて3日の間、碌に食事を摂れなくなったという闘士もいたほどだ。
「ぐぅ……おぉ!」
「っ……こんなものですの!」
 口の端から血反吐を零し、シャルロッテは笑う。その顔は苦悶に歪んでいるが、腹に殴打を受けた程度で音を上げるような柔な鍛え方はしていない。
 シャルロッテはノノの腕を両手で掴む。ミシ、と骨の軋む音。
 喉の奥から呻き声を零しながら、ノノは腕を振り回す。シャルロッテの身体を、腕ごと地面に叩きつけてやる心算だ。しかし、シャルロッテは背が地面に触れた瞬間、ノノの腕から手を離し、膝へ目掛けて蹴りを放った。
 ノノはプロテクターに覆われた左足で、シャルロッテの蹴りを受け止める。女の蹴りとは思えぬほどに重い音が鳴り、ノノは数歩後ろへ下がった。
 一方、ノノを蹴りつけたシャルロッテもまた転がるように後方へ。
 開始と同じ位置に戻った2人は、ゆっくりと立ち上がるの受けたダメージを確認する。
 口元を濡らす血を拭い、シャルロッテは拳を構えて腰を落とした。
 ノノは蹴りを受けた左足を庇うようにして、顔の横に握った両腕を持ち上げる。
 一瞬の攻防。
 お互いに受けたダメージは大きい。
「よぉ、何度目だ。こうしてアタシと喧嘩するのは?」
「さて? 数えておりませんわ。だって数える意味なんてありませんもの。そうでしょう?」
「あぁ、そりゃそうだ。今日が何度目だろうと関係ないよな。きっとこれから先も、アタシとアンタはこうして何度も殴り合うことになるんだからさ」
 なんて。
 交わした言葉はごくわずか。
 言葉を交わす暇があるなら、拳を打ち付け合うべきだ。
 何しろここはラド・バウなのだからだ。
 言葉はいらない。
 敗者は地に伏し、黙するだけだ。
 勝者は立って、勝鬨を上げろ。
 獣のような笑みを浮かべたノノとシャルロッテは、同時に地面を蹴って駆け出す。
 互いの拳が交差して……。
 刹那、まるで時が止まったかのような静寂が辺りに訪れる。
 それから、地面が揺れるほどの大喝采。
 果たして、今日の勝者は……。

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