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『喪失騎士』イーヴァ・バーグマン
登場人物一覧
名前:『喪失騎士』イーヴァ・バーグマン
一人称:私
二人称:あなた
年齢:26
口調:ね、よ、なの、なのかしら?
特徴:あらゆる生命が歓び茂る季節を想起させる緑髪、静謐の奥深くに瑕を垣間見せる深緋の眼、身長172cm程、服で隠れているが引き締まった身体
職業:元の世界では竜騎士
設定:
感情が窺いにくく一見冷めているように視えるが、内面は愛情深く優しい女性騎士。竜騎士であったが、相棒を失くしてからは其の名乗りをすることはない。「竜がいない竜騎士なんて」と。
出身:
中世ファンタジー風世界。ドラゴンやペガサスといった幻想の生き物や、魔法や魔具といったものが存在する。世界の敵である魔物と戦いながら、人々は日々を生きている。
経歴:
――『その空は気高く、心に熱を呼んだ』
イーヴァは幼い頃から感情が顔に出ない性質で、彼女の心を理解する人間は少なかった。誉れ高き竜騎士であった祖父はたびたびイーヴァを呼びつけて、大きく固い掌で孫娘を抱いて相棒ドラゴン『シルヴィア』に乗せ、大空を飛んで世界が如何に広大か、人間がどれほど眇眇たるかを体感させた。
――『選竜の章』
――「シルヴィアを殺さないで。お願いシルヴィア。私を選んで」
成長したイーヴァは若き竜騎士として自身の相方ドラゴンを選ぶ。彼女が選んだのは、亡き祖父が遺したシルヴィア。乗り手を失い、新たな乗り手を選ぼうとせず、処分されようとしていた竜は、イーヴァが近づくと愛し気に鳴いて自ら背に乗るよう促した。経験豊富なシルヴィアは友のような母のような優しく頼もしき相棒となり、未成熟な乗り手をよく助けた。
――『喪失の章』
――「愛しているわ、私の相棒」
幾つもの戦場の空を経て、竜騎士はその日かけがえのない相棒を失った。愛しき相棒竜は騎手を庇い満身創痍となり、視えぬ瞳で懸命に前を向き、傷だらけの翼を健気に羽ばたかせて、大切な竜騎士を友軍のもとまで運び、力尽きた。壮絶な最期であった。
そして混沌へ:
唯一の友であり相棒を失った喪失感から自分の命すらどうでもよくなっていた時、イーヴァは無辜なる混沌に召喚された。突然召喚された異世界の事情を離されても、イーヴァには響かなかった。そんな折に出会ったのが幼きアルマ・ワイルダー(p3p010515)。その境遇が、その健気さが、あたたかさが――イーヴァの心を動かした。
「どうせ捨てる命なら……この子の為に、捨てればいい」