SS詳細
宝玉窟『アンペロス』
登場人物一覧
名前:ユウェル・ベルク
一人称:わたし
二人称:呼び捨て
口調:時々ひらがなおバカ系
特徴:宝石ぱくぱく
設定:
亜竜集落ウェスタの周辺に点在する小集落。その中の一つがユウェル・ベルクの出身地である宝玉窟『アンペロス』である。
規模は小さな村程度だが、特筆すべきは小集落そのものが宝玉窟『アンペロス』と呼ばれた宝石を獲る事の出来る洞窟に存在する事である。
小集落はそれ故に周辺からはアンペロスと呼ばれており、宝玉窟と同一視されることが多い。
陸路はあまり用いられずウェスタから通じる地中の通路を利用して他集落との交流を行っているそうだ。
宝玉窟『アンペロス』はその時々によって色彩を変える美しい洞窟である。
獲れる宝石の種類は多岐に渡り、獲り尽くすことは出来ないとさえ言われている。
宝石はまるで葡萄のように洞窟内に実り、遠目から見れば宛ら果樹園そのもの。
フリアノンの住民の中ではアンペロスを憩いの地として認識している者も居る程だという。
美しき宝玉の果実が実ったアンペロスに住まう亜竜種達は宝石の『収穫』やその加工を生業とするものが多い。
ラサなどから齎された装飾品の文化を良く反映した加工品はフリアノンを通じて時折、サンドバザールへと流れていくそうだ。
亜竜種達はアンペロスの宝玉窟の中で静かに暮らしている。
生活様式に関してはウェスタの程近い場所に存在するために、大きな差はないらしい。
宝玉窟の中を流れている水路は時折外より葉や花を運び込み、四季の移り変わりを教えてくれる。
一部分のみ天井が崩落し、外を見ることの出来る宝玉窟の天蓋より差し込んだ光は、内部の宝石達を美しく輝かすことだろう。
美しきこの小集落の里長は宝食のユウェルが葡萄を思わす『アンペロスの果実』を摘まみ食いしても笑っているだけであった。
アンペロスは不思議なことに宝石が『生えてくる』場所だという。
宝石が生えてくるならば宝食の亜竜種が居ても問題は無い。それが彼女の在り方ならば是とし、アンペロスを愛するようにと何度も説いたそうだ。
小さな集落であるアンペロス――その美しさが損なわれぬように。
この地に住まう亜竜種達は美しき『果実』達を守り続けているのである。