SS詳細
しじまのように、佇んで
登場人物一覧
名前:浅蔵 竜真
一人称:俺
二人称:さん、呼捨
口調:だな、だろ、だろう?
特徴:ふと、気を遣って下さる方
設定:
竜真さん、ですか。印象、と言われても……水夜子は相変わらず変なことを聞きますね。
え? 良く話している気がするから? ……ええ、そうですね。イレギュラーズの皆さんは私に構って下さいますから。
その中でも竜真さんは私に気を配って下さっている気がします。
どうしてだと思うか、と。
そうですね……燈堂、いえ、祓い屋との関わりも多いでしょう。廻さんの友人だと聞いています。
だからこそ……、いえ、言い淀んでも意味は無いですね。燈堂の暁月さん……暁月先輩と因縁深い私を心配して下さったのではないでしょうか。
私にとって、あの人と詩織さんと、それから『あの子』との過去は消せるものではありませんから。
私の過去に竜真さんを付き合わせてしまっているようで、少し申し訳なく思っては居るのです。
弟よりも年下の――まだ、年若い男の子を私が勝手に抱いた理想と幻滅しただけの暗い過去の延長戦に付き合わせているような。
私にとって暁月先輩と、詩織さんと『あの子』と過した日々は理想郷のようなものだったから。
其れを壊した先輩を許せないで居る弱い私。あの人を恨むことだけで、真っ当に生きてると感じている私。
……それを捨てきれない私に笑って欲しいと、そう仰る竜真さんに、まだ、途惑ってしまっているのかも知れません。
ですが……それでも、友人として傍に居て下さることは喜ばしいとは思っているのですよ。
ええ、私は高校時代の……あの時から友人と呼ぶべき存在は居ませんから。『あの子』が全てだった、なんて、莫迦らしい言葉ですが。
彼女が命を落とした時、誰かの友人を名乗ることさえも恐ろしくなってしまったのです。
ですが、そんな私を友人だと考えて下さるイレギュラーズの皆さんは……私の中で、不思議な存在なのです。
竜真さんとは、まだ、深く友人と呼べる関係ではないのかもしれません。
ですが、少しずつでも言葉を重ねて真っ当に交友を重ねることが出来れば嬉しく思ってるのですよ。
こほん、柄にもなく語りすぎましたね。ですが、これが本音ですから仕方ない……って、水夜子? 其れは何ですか?
レコーダー? それをどうする――……!