PandoraPartyProject

SS詳細

獄人であるということ

登場人物一覧

隠岐奈 朝顔(p3p008750)
共に歩む道

「……まあ、またいらっしゃってるわ」
「あらまあ」
 天香邸の片隅で溢れる小さな声は女官たちのものだ。
「大きくいらっしゃって鴨居に頭を打ってしまわれますわ」
「ほほ。御当主様の御友人であらせられますゆえ、その様な……」
「いえいえ、何もその様な事は言っておりませんわ」
「後で念入りに掃除をしませんと」
「ええ、そうですわね」
 言葉に乗せるものは女官達の雑談として何ら不思議ではないものだろう。
 されど、そこに在るものは『獄人への嫌悪』だ。
「御当主様もどうしてあの様な御友人を招くのでしょう」
「ほら、遮那様は……」
「そうでしたわね」
 遮那は八百万ではあるが、身元も知れぬ市井の出身であるのだ。
 天香の血を引いているわけではない『下々の者』ならば獄人との交流があっても不思議では無いと女官達は口外に含む。
「でも、姉君である蛍様は獄人に殺されてしまったのに……」
「そこよね。自身の姉君を殺した者と同じ獄人を御友人や家臣に置くなんて」
「やっぱりきちんとした方に継いで頂いた方が……もし、御友人が天香に入られて仕える事になったとしたら」
 身を震わせる女官達の前方から喜代婆がお茶を持って歩いて来る。
 同じ八百万でありながら喜代婆は遮那の友人達へ分け隔て無く接するのだ。
 目の前を微笑みを浮かべ通り過ぎて行く喜代婆に気まずさを覚え女官達はそそくさと仕事に戻った。

  • 獄人であるということ完了
  • GM名もみじ
  • 種別SS
  • 納品日2022年02月12日
  • ・隠岐奈 朝顔(p3p008750

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