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『夜闇の真影』エヴリーヌ

登場人物一覧

セララ(p3p000273)
魔法騎士
セララの関係者
→ イラスト

名前:エヴリーヌ
種族:魔種・元精霊種
性別:女性
年齢(或いは外見年齢):14歳(外見年齢)
一人称:あたし
二人称:あなた、名前呼び捨て
口調:だよぉ、だよねぇ、だしぃ、なのぉ? 等、間延びした印象
特徴:甘ったるい声。人を深淵へと引きずり込む、夜闇の真影。
設定:
 エヴリーヌが生まれたのは、月下美人の花が咲いた、深い深い夜闇の中。
 幾年月もの時間と奇跡が、真っ白な花と月光に照らされて結実した、夜闇の少女。

 エヴリーヌは、少なくとも精霊種であったことは確認されている。何の精霊種であったかは、現状不明である。本人も覚えていない。どうでも良いのだ。
 エヴリーヌは純粋であったが故に、それ故に刹那的でもあった。楽しい事を求め、気持ちのいいものを求めた。この場合のそれは淫靡なものではなく、自分にとって居心地がいいとか、そういう意味合いだが。いずれにしても、エヴリーヌにとって、重要なのは今だ。だから、自分が何であったかなどは、もうどうでもいい。彼女はすでに、魔種であるのだから。

 エヴリーヌは前述したように、楽しいものを求め、気持ちのいいものを求めていた。それは健全なものであったといえるだろう。純粋に楽しい遊びを求め、純粋に心地の良い空間を求め、純粋に素敵な友達を求めていた。
 魔種に反転した時に、エヴリーヌのそれは言葉は同じでも全く違うものへと変貌している。楽しい遊びは、些か邪悪なものへと変わっていた。心地のよさが、誰かが苦しむ姿へと変わっていた。そして純粋に、素敵な友達を求めている。
 エヴリーヌはひどく無邪気に人を殺すし(楽しいからだ)、ひどく簡単に人を苦しめる(心地よいからだ)。そして、その果てに友達になってくれるものを求める。だが、魔種と友達になるなど、狂うか壊れるかするしかない。魔種になるか、壊れるかだ。だから、彼女の手を取ってはいけない。

 彼女は、夜闇の真影なのだ。深い深い夜の暗さの中に、一輪の月下美人が咲いている。その白い美しさはまやかしで、その背後には深く、深く、決して帰ってこれない闇がある。
 彼女は夜闇の真影だ。夜という暗闇が、人の根源に植え付けらた恐怖の真影だ。
 だから、彼女に近寄ってはいけない。彼女の手を取ってはいけない。
 彼女を理解しようとしてはいけない。彼女を愛そうとしてはいけない。
 その全て――夜闇そのものである彼女に、黒く塗りつぶされるだけの末路しかないのだから。

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