Day.xxx

登場人物一覧

● 軽快な音楽

Welcome aboard.ようこそ！！
ゴーストシップ協会がお届けするデッドマンズラジオの時間です。
本日の放送担当は蒸気幽霊客船『灰色の貴婦人』号、ジェシー・ハルグ三等死神航海士とォ。

……なぜ呼び出されたのか分からない、ネルセン・メロ一ラング機関室長がお届けします。

むふふ、それはですね。私たちと船長、副船長以外、この船に死神がいないからです！！

満員の船を死神四名で運営しろとは、結構な無茶振りでございますね。

前回の襲撃で我々以外の渡し守系死神がほとんど消滅しちゃいましたからね。

あはははははは（会場がドッと沸く音）

我々はいつでも意欲のある死神を歓迎しております（真顔）

渡し守免許と癒魂免許をお持ちの方、特にお待ちしております（真剣）

それでは気を取り直して、早速大ニュース行きましょう！！
今日はですね、なななんと！！
我々の船の護衛するため、スペシャルなゲストが乗船されているのです。

はい。特別通行証が発行され、別世界より特異運命座標四名が召喚されたのは皆様ご存知の通りですが
この度はボグ対策班として『灰色の貴婦人』号にご乗船頂く名誉を賜りました。

こーれーはー心強い！！
ボグが来てもへっちゃらですね！！
一騎当千と名高い勇者様ですから。
サインもらいたい！！

我々は船底側におりますから、お会いするのは難しいかもしれませんね。

外の戦闘音を生で聞きたい方は残念でした。皆さんも残念でしょうが、私も残念です！！！！

それでは、今日の一曲目。サンカー作曲『黎明讃歌第七楽章』より『嗚呼、白亜の日』。

●缶詰のコマーシャル

ボグめっちゃ来るんですけど。

来ますね。

って、うぉあぁーー！？
ラブリーキュート・ガンガールが負傷したぁーー！！？？　ボグマジ絶許！！
スイートマジカル・ディアガールはナイスヒール！！　今のタイミングは神ってましたね、私明日から鹿信仰に入ります。

何ですか、鹿信仰って。

いや、逃げてきた魂たちが言ってたもので。

あぁ、甲板近くに取り残されていた魂たちが救出されたのですね。
ありがたいことです。
おや、あれは精霊でしょうか。
実体化した精霊の戦闘を見るのは初めてです。凄いですね。

あの二人はお友達同士で我々を助けに来てくれたようです……うぅ、ありがとう、一生推す。
（推すです）（ファイトです）（いれぎゅらーず、がんばれです）

放送席には応援魂も来ているようです。
それでは二曲目に参りましょう、指揮エラーズ・キリ、演奏はモラヴィチェ交響楽団で『ファルコンズ・カドリール』

●終わりの音楽

悪魔様や海の神官様もお見事。
一体でも手こずるボグを、ああも簡単に倒すとは素晴らしい。

打ちもらしが少ないのもありがたいです！！

おや、そう言ってある間に大規模襲撃は終了したようですね。
これから船内の捜索に入るようです。
金と銀のお二人は食堂に向かわれるようですね。

ジェシー・ハルグ三等死神航海士はネルセン・メロ一ラング機関室長に離席の許可を求めます。

申告を受理します。
ジェシー・ハルグ三等死神航海士、及びそちらの魂たちは早急にダイニングルームを掃除してくるように。

サー、イエス・サー！！
（あいさー！）（いってきます）（ごはんタイムかな？）（きれいな机と椅子で食べてもらお）

今週も終わりに近づいてきましたデッドマンズラジオ、いかがでしたでしょうか？
本日の放送は蒸気幽霊客船『灰色の貴婦人』号、ジェシー・ハルグ三等死神航海士（掃除中）とネルセン・メロ一ラング機関室長でお送りしました。
お別れはチェスタコア・メスキー作曲『葬送曲第五番ネズの海』で。

それでは、また来週。

おまけSS『灯台守とその友人の朝食』

ネルセン、どうだった。
今日の航海は。

何の問題もなかったよ、バガ。
君の灯台のおかげかな？
随分と調子が良さそうじゃないか。

まぁな。
少しばかり良いことがあったんだ。

それは良いことだ。
君が暇を持て余すと、海の機嫌が悪くなるからね。
ところで、その鴉の羽はどうしたんだ？

最後に来た鉄の客の物だ。
星の砂と一緒に返すつもりだったんだが忘れていた。

そうか、生きていれば必ず此処を通る。気長に待っていればいいさ。

そうだな。
なぁ、ネルセン。

何だね。

お前、ラジオ向きだったんだな。

よしてくれ、あれほど聞かないでくれと頼んだのに。

あれだけ言われたらな。
おかげで面白い話も聞けた。

別世界に興味を持つのは分かるが、彼らにちょっかいをかけるのだけは止めてくれよ？　恩人なんだから。

分かった分かった。