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馥郁たる狂気

登場人物一覧

ジルーシャ・グレイ(p3p002246)
月香るウィスタリア
ジルーシャ・グレイの関係者
→ イラスト

名前:オージェ(本名:オーギュスト・グレイ)
種族:旅人
性別:男性
年齢:30
一人称:僕
二人称:貴方、貴女/(気が高ぶると)お前
口調:です、ですね、でしょう/言い捨て
特徴:礼儀正しい、物腰柔らか/狂気、執着
設定:
 『瑞香の魔女』の一番弟子にして、ジルーシャの兄弟子――だった男。
 幼い頃から調香師としての才覚に溢れ、誰もが彼が《蝋梅》の名を冠することを疑いもしなかった。
 神童だった。彼はそれを鼻に掛けること無く努力をし、師である魔女の愛弟子であった。
 精霊たちには愛されなかったが、それでも彼は努力を重ねた。蝋梅は雪にも負けず、甘く咲くのだから。

 しかし彼は道を踏み外す。
 切欠は、『妖精の祝福』を受けた右目を持つジルーシャの弟子入りだった。
 胸に浮かんだ『どうして』は次第に広がり、ひずみ、『もっと頑張らないと』と焦燥に苛まれ、苦しみ、妬み、拗れ、追い詰められ――捻じ曲がった。
「そうだ、原料を変えてみましょう」
 それは小さな閃きだった。
 もっと違う『原料』を使用すれば、彼より勝るかもしれない。
 初めは小動物に手を出した。――けれど駄目だった。
 次はもっと大きな動物の血肉を使ってみた。――これでも彼に勝てない。
 それならもっともっと――ああ、ならば『人』はどうなのだろう。どんな香りになるのだろうか。
 狂気に歪んだ好奇心の果てに『人体の一部を材料とした香りの創造』という禁忌に手を染め、彼は師に破門を言い渡された。

 ――けれど先生も、いつかは僕を解ってくれます。
 嗅いだ者の精神が狂う? 心そのものを作り変えてしまう? それの何がいけないのでしょう。
 もっと素晴らしい香りを生み出せたなら、先生はまた弟子に迎え入れてくれることでしょう。

 混沌に召喚された後も彼は狂気の研究をやめることはなく――寧ろ拍車が掛かった。
 眼球、手指、毛髪、血、肝臓、心臓――果ては魔種の死体まで。
 全てが全て、彼のギフトの前では『香料』である。

「人の血肉では駄目でした。妖精の心臓では駄目でした。
 すべてを掛け合わせても、まだ足りない。
 ならば獣人はどうでしょう。
 鳥人は、魚人は、機人は――魔へと堕ちた者は」

 彼の興味は尽きることがない。
 手を血に染め、血の臭いを香りで上書きして、柔和な笑みを添えて心を絡め取り――
 甘い香り致死毒を、あなたに。

 ――ねえ、ジルーシャ。お前の右目は、どんな香りになるのでしょうね。

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