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あの日見かけた星雫
登場人物一覧
- にゃこらすの関係者
→ イラスト
名前:リリ
種族:人間種
性別:女性
年齢:15歳
一人称:私
二人称:
口調: ~ね。~よね?
特徴:物静か・真面目・礼儀正しい
設定:
――その少女は現実においては死亡している。
混沌ではニコラスの『家族』だった少女。マフィアのボスに拾われたが、ニコラスの心を壊すためだけに10歳になる前にニコラスの手によって殺された。
あの日のナイフを。
首元へと迫らせたあの時間は――しかしR.O.Oでは存在していない。
R.O.Oの彼女はマフィアのボスには拾われず、孤児院に保護されている。
その後も特に裏社会の者と関わる様な事もなく――拾われた少女は成長し、シスター見習いとして伝承の一角で暮らしている様だ。血生臭い出来事など何もない、只一人の、平穏な日々を過ごす少女として……
それはニコラスとの縁が紡がれなかった彼女という意味でもある。
彼女は知らない。マフィアの少年など。
彼女は知らない。共に過ごした者達がいたなど。
彼女は知らない。己が――殺されたことなど。
この世界のリリにとってはそれが『当然』なのだから。
敬虔なシスター見習いである彼女は、立派な大人になるべく日々を過ごしている。まだ少女であるが慎み深く、立派に育っている彼女の人気は周囲からも高い様だ。『きっと必ず救いはある』とは彼女の口癖。また、時間のある時には時折幻想の大図書館『クラン・ベルズ』に通っているのだとか。
それは勉強の為。新たな知識が身に着く事は楽しいから……
ただ。
図書館で勉強している時の彼女は時折、不思議な事を口走る事があるという。
――誰かと一緒にいた気がする、と。
五人ほどと一緒に過ごしていた気がする、と。
このように、どこかで一緒に勉強していた様な……
勿論そんな過去はこの世界には存在してないのだが。
彼女は不思議と五つ以上の椅子がある大きな机がある所で勉強する事が多いという。
……彼女は『なかった』道筋を辿った者。
誰とも。ましてやマフィアなどと関わってはいない。
だから彼女が誰かの顔を思い出す事なんて――きっとないんだ。
「誰にだって救いはくる。ねぇ、あなたにもきっと来るわ」
「私はもういっぱい幸せを貰ったもの。だから、次は私が幸せを渡す番なのよ」
「ねぇ。貴方、どこかで会ったことがある?」