PandoraPartyProject

SS詳細

鋭き(けれど、摩耗した)刃

登場人物一覧

ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼

名前:ラーミナ

一人称:私

二人称:オマエ

口調:だね、でしょ、じゃない?

特徴:真面目、ストイック、ドライ、神出鬼没

設定:
 天義――聖教国ネメシスに隠れ潜む密教集団『ウィーティス』。その構成員の一人。
 年齢22歳の獣種(ブルーブラッド)。呼び名はコードネームであり、本名については秘匿(また、後述の理由により公的には抹消)されている。
 現在の主な役職は情報収集と警護、時として暗殺すら行うこともある。

 元は天義でそれなりの地位にある騎士として仕えていたラーミナは、しかしある日、唐突に天義から離反し、『ウィーティス』の傘下に入ることを選択した。
 その理由は、度重なる異教徒狩りによって。
 戦闘に於ける能力が突出していたラーミナは、その実力を買われたためにそうした実行部隊として兵を率いることが日常と化していたのだ。
 
 滅する者が只の涜神者ばかりであれば良かった。
 或いは、無辜の民に被害を及ぼす輩であれば、とも。
 しかし実際に手を下したのは、天義の信仰とは異なる在り方を求めようとした者や、天義の信仰によって取りこぼされる者たちを救おうとした者たち。
「向いている方向が違う」だけの、自身たちと全く同じ存在。それがラーミナが殺してきた者たちだったのだ。
 ――純粋無垢な子供でなくとも。ただ、人並みの良心を持っているだけであっても。
 繰り返される「作業」に、その心は摩耗した。すり減って、砂粒になって。ラーミナはただ、そう在るだけの機械となった。

 自らの在り方を見出せなくなったラーミナに、その時手を差し伸べたのが『ウィーティス』の教祖……『旧き蛇』サマエルだった。
 多種多様な信仰の在り方を認めない今の天義が間違っていること。それを正すことに力を貸してほしいことを伝えたサマエルに対して、ラーミナの答えは簡潔だった。

「私は何も望まない。オマエ達に何も期待しない。
 だから、私に何も与えるな。何かを抱かせるな。それを良しとするなら、私はオマエ達の刃となろう」

 斯くして、ラーミナは自らの担い手を天義から『ウィーティス』に移し替えた。
 自ら動き、思考し、しかし自身の総てを置き去りにした獣種は――今現在、「長期の任務」に就いている。

  • 鋭き(けれど、摩耗した)刃完了
  • GM名田辺正彦
  • 種別設定委託
  • 納品日2021年11月28日
  • ・ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535
    ※ おまけSS付き

おまけSS

――――――××日目。
 教祖の命により、「左目」の隣人として交流する関係は、今のところ気づかれてはいない。
 そもそも、気づかれるほどの交流も持ててはいないとも言える。
 父子も含め、特異運命座標である彼女は一つの住居に留まり続けるほど暇ではないし、巷では教師として練達にも赴いているとのことだ。
 恐らくは、私のことも「偶に会う近所の住人」程度の感覚であろう。

 偶然会った際の彼女は、社交的な女性として近隣の住民にも好評を得ているらしい。
 傍目に見れば理想的な家族を築いた一夫人だ。私にとっても――憧憬や羨望は無くとも――その姿は眩しく映った。

 (乱雑に一部が塗りつぶされた部分)

 だが、■からこそ。
 今なお監視を続■る彼女へ、■いはその家族へ、■祖は何を■■のか。
 ■ろしい。嗚呼、そうだ。私は■■■ている。
 何時か■した異■徒のように、ただ幸■を■んだ彼ら■■■た時のように。
 
 ――記録を終了する。
 

 追記:
 教祖への配置転換希望/返答待ち

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