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苺のケーキを買って

登場人物一覧

シャルティエ・F・クラリウス(p3p006902)
花に願いを
シャルティエ・F・クラリウスの関係者
→ イラスト

名前:リル・ランパート
種族:ブルーブラッド
性別:女性
年齢:16歳
一人称:私
二人称:~様、~さん、シャルティエ様
口調:です。ですか、でしょうか。ですね。
特徴:褐色の肌に灰色の毛並み。灰色狼のブルーブラッド。
 元奴隷の少女で、紫屍呪という呪いを掛けられていたが、シャルティエに助けられた。
 ヴィーグリーズ会戦後、リルはシャルティエの養子となり幸せな日々を過ごしている。
設定:
 冬の寒さが忍び寄るカルセイン領。
 シャルティエはいつも通り紅茶を運んでくれるリルに視線を上げた。
「そういえば、リルの誕生日っていつなのかな?」
「えっと、実は一昨日でした」
 少し照れくさそうに微笑むリルにシャルティエは目を瞠る。
「そうなの!? 11月26日? 何かお祝いしなくちゃ……何歳になったのかな」
「16歳です」
「えっ、嘘!? 僕と同じ年なの!?」
 小柄な体躯と幼い見た目から、年下かと思っていたが年齢は同じらしい。
「私は鉄帝の貧しい村の生まれで、幼い頃は余り食べれなかったのです。その後スチュアート家の旦那様に迎えられ、メイドとしての作法と一般的な教養を受けました」 
 リルの身体は生きる事が精一杯で、育つ事を二の次にしたのだろう。
 それだけ幼少期は過酷な生活だったということだ。

「んー、同じ年なのに養子だと変かな?」
「いえ、今まで通り接して頂けると嬉しいです。シャルティエ様は私の勇者様であり、父であり兄なので」
 大好きなシャルティエが自分の親だと言う事が嬉しいのだとリルは微笑む。
「そっか。じゃあ誕生日プレゼント買いに行こうか」
「えっ、そんな事をして頂くわけには」
「だって僕はリルのお父さんだからね。娘の誕生日プレゼントを一緒に選ばせてよ」
 シャルティエの優しい言葉にリルは涙を浮かべた。
 こんなにも幸せで良いのだろうかと胸がジンと熱くなる。
「……お父さんって呼ぶ?」
「流石にそれは」
 シャルティエの真剣な表情の『冗談』にリルは口元を押さえてくすくすと笑い出す。

 自分の人生は不幸であった。
 けれど、これからはきっと幸せになれると確信がある。
 シャルティエの元に居れば、夢の様な未来が見えるから。
 願わくばこの幸せが長く続きますように。
 大切な家族に、祈りと感謝を――

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