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無頼者フェイ・ユーレン
登場人物一覧
- 笹木 花丸の関係者
→ イラスト
名前:フェイ・ユーレン
種族:人間種
性別:男性
年齢:27歳
一人称:俺
二人称:お前
口調:~だ ~だろう? ~だろうさ
設定:
フェイは混沌世界を彷徨い歩く格闘家――彼を一言で説明するならば『そう』なるだろう。
持って生まれた才覚には類稀な所があり、鍛えれば鍛える程にその身体も応えた。
特に蹴り技を得意としていた様であり……その神速たる蹴撃は鉄をも砕いたとか。
しかし周囲に認められるだけの武力を宿しても、まだ伸びしろがあると己を鍛え続けた。
それはまるで求道者の様に。或いは鬼神等しき修羅の如く。
自らを鍛え上げる事に一切の余念がない人物と言えよう――
また彼は自らの見聞を広める為……と、自らの腕試しの為に混沌各地を巡っている。
ラサの腕自慢を打ち倒し、鉄帝の闘士と決闘し。
なけなしの銭を落とし、やむなく海洋の船に密航した事もあれば天義ではうっかり街中で騒ぎを起こしてしまい騎士団と一悶着も。ああいつかは旅の銭を稼ぐ際にローレットのイレギュラーズとぶつかり合った事もあったか。ん、いや、たしか共同で何かに取り組んだのだったか……?
まぁとにかく。いずれをも自らの鍛え澄ました武才をもってして切り抜けてきた――
正に闘争を求めて各地を往く権化。
修羅道こそが己が本懐であるとばかりに……
しかし彼はある日忘れられぬ敗北をする。
彼はある地に迷い込んだ。
そこは、ある魔術師が作り出した極小世界――ともいうべき場所だったのだが。
そこにて惨敗を喫したのだ。
文字通り手も足も出なかった。研磨し続けた己が技量が完膚なきまでに潰された。
否。それだけならばまだいい――
だが許せぬのはあの視線。己を嘲笑する様な侮蔑が許せなかった。
……気付いた時には己は外に弾き出されていた。
自慢の足を叩き折られた上で。
……やがて足の傷は癒えたが、どこかに違和感が残り続けていた。
内を蝕むような感覚がどこかに在り続けているのだ。
呪いか何かか。蹴りを振るうに問題はないように見える、が。
足の違和は神秘の浸み込んだ札で抑えつつ、彼は再び『あの地』を探している。
許せぬ敗北を拭う為。
『次元の狭間』と呼ばれるあの空間の主たる魔術師を――打ちのめす為に。
敗北を知ったかの修羅は、まるで新生したかの如く。
かつてよりも更に深奥の武を求めて己を昇華しているとか……