SS詳細
多次元侯爵ZERO
登場人物一覧
名前:多次元侯爵ZERO
種族:人間種
性別:男性
年齢(或いは外見年齢):20
一人称:私、我、素が出ると『俺』
二人称:貴様、汝、素が出ると『~君』
口調:だ、である、だろう
特徴:黒いコート、仕込み杖、ガスマスク
設定:
XXXに忠誠を誓う闇の侯爵。XXX四天王第三席次に君臨し、卓越した剣技と総統ウケのいい悪幹部的言い回しに定評がある。
キャッチフレーズは『青春を対価に世界を手に入れた男』。
ROO世界の一角に生まれ、元は平凡な大学生であった青年上谷零はある日バグによって自らの記憶が何百人分も存在することを自覚した。
『魂の記憶領域』ことアストラルレイヤーの存在を自覚したのだ。
かつてこのROO世界が歪んでいなかった頃、ただのウォーカーだった彼は歪みと共に様々な情報の流入がおきた。
そのひとつが上谷零出身世界における『独立多世界構造』と、上谷零が混沌世界召喚時にオミットされた筈の『特異点』であった。
急激に情報量の増加した彼は秒間256回にわたるリセットを繰り返し、そのたびにネクスト世界内でおこりうるマルチバース情報をアストラルレイヤーに記録させていった。
こうしてできあがったのが多次元侯爵ZERO。
バグ発生時点において数百に渡る並行世界の記憶を保有する青年の誕生である。
膨大な記憶にアクセスすることは難しく。そしてその多くはROO内に出現した『原罪』による滅びや無残な死を経験していた。
そのため表情は悲しみに沈み、未来への希望も乏しい。
なかば自棄になった所で総統に拾われ、設定と知識が悪の幹部っぽいという理由で四天王に据えられた。
マルチバース記憶から剣術を再学習し、同じ経緯でスーパーカーボンの製造法を確立。
ただしそれは『毎日フランスパン食べ放題』という夢のような力を完全に喪失することを代償とするもので、絶望の未来を何百と見た彼はそれを実行してしまった。青春を対価にした瞬間である。
おまけSS『<八界巡り>ほんとうの零の世界』
ROOのバグによって再現されかけた『零の世界』について。
あるときから完成していた異世界観測装置は、ある人間を特異点としたマルチバースを観測するための機械であり、基底世界(観測者側の世界)の崩壊を恐れ特異点保持者にはその事実が巧妙に隠蔽されていた。
上谷・零が十台なかばに達したころ、特異点は上谷・零へと移動。移動の理由はまるでわかっていないが、分かっていないからこそ警戒しなければならない。
彼は世界から密かに監視されることとなった。
『零の世界』は他の世界を観測できるという特徴をもつが、その一方で『本当は多世界構造をした一つきりの世界』でしかない。膨大に膨らみすぎる情報量は再現不能であり、『イデアの棺』による抽出実験ではメモリクラッシュを起こす原因となった。
そのため『零の世界』の実験は行われていない。
いないが、なぜか実験を行ったログデータだけが存在し、不完全に生成された『他世界を観測できない閉じた世界』として抽出されている。
それはどこか『誰かが意図して自分に都合の良い世界に作り替えた』ように見える。