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白猫の魔法使い
登場人物一覧
名前:白雪(しらゆき)
種族:ウォーカー
性別:男性
年齢:不明(数百年単位で生きている)
一人称:僕
二人称:君、貴方、~さん
口調:基本的に「にゃー」しか喋らない。(かな、かも、だよね?)
特徴:白猫の魔法使い。見た目はもふもふの毛並みをした大きめの普通の猫。
設定:
元の世界では兄猫の黒夢(くろむ)と共に普通の猫として生活していた。
飼い主である魔法使いの最期の願いで、黒夢と共にその力を受け継いだ。
黒夢と一緒に召喚されしばらくは各地を転々としていた。
練達の希望ヶ浜に来た際、夜妖に襲われていた所を数代前の燈堂当主に助けられた。
そこから燈堂を主人として認め、居着くようになる。
兄の黒夢が外に情報収集しに行くのに対し、白雪は基本的に燈堂の敷地からは出ない。
この燈堂の地は小さな夜妖が引き寄せられるようにやって来る。
それは張られている結界が『外へ逃がさない』作用が強いからだ。
危険感知の出来る賢い夜妖はそもそも燈堂の地に近寄らない。
しかし、光に引き寄せられるように、結界の編み目を潜って小さな羽虫はやってくる。
その小さな夜妖達を狩るのも白雪達の役目であった。
ある日、敷地の塀の上を歩いて居ると、白い頭の少年がふらふらと歩いて居るのが見えた。
体調が悪いのだろうか。時折止まっては項垂れるように塀に手を着く。
白雪は見に見かねて少年の前に降りたった。
「にゃー」
「わわっ、猫さん?」
魔法で少年を持ち上げて燈堂の本邸まで連れて行く。
「あれ、どうしたんです? その子」
「にゃーぉ」
出迎えた廻に少年を託した。
白雪は忙しい。今も玄関から入ろうとする小さな夜妖と格闘している。
頭を低くし、指先を丸めてチョイチョイの――バシンだ!
白雪の手の肉球は夜妖を的確に仕留め、黒い粒子がさらさらと流れて行った。
「えっと……ありがとう。僕がふらふらしてたから、助けてくれたんだよね?」
「にゃー」
縁側に座る少年の膝の上に白雪は乗っかる。
「僕は祝音・猫乃見・来探。祝音って呼んでね。君の名前は?」
「にゃー」
「白雪って言うんです。猫の姿をした旅人で、この燈堂に住んでます」
廻がお茶をコトリと置いた。
祝音は膝の上に乗るもふもふの毛並みをした白雪を抱きしめる。
「ふふ、白雪さん? くんかな? 友達になってくれると……嬉しいな」
「にゃーぉ」
それに応えるように白雪は少年の鼻に自分の鼻先をくっつけた。