SS詳細
黒猫の魔法使い
登場人物一覧
- 笹木 花丸の関係者
→ イラスト
名前:黒夢(くろむ)
種族:ウォーカー
性別:男性
年齢:不明(数百年単位で生きている)
一人称:僕
二人称:君、貴方、~さん
口調:ですね、ですかね、だろうね(敬語が混ざる事も)
特徴:黒猫の魔法使い。青い瞳と大きな帽子、空飛ぶ箒が特徴的。
普通の猫の姿になることが出来る。
設定:
お人好しな性格で各地を転々と飛び回っている黒猫の魔法使い。
その実、燈堂家の情報収集係を担っている。
実弟に白雪(しらゆき)という猫のウォーカーが居る。
元の世界では白雪と共に普通の猫として生活していた。
飼い主である魔法使いの最期の願いで、白雪と共にその力を受け継いだ。
白雪と一緒に召喚されしばらくは各地を転々としていた。
練達の希望ヶ浜に来た際、夜妖に襲われていた所を数代前の燈堂当主に助けられた。
そこから燈堂を主人として認め、居着くようになる。
この燈堂の地は小さな夜妖が引き寄せられるようにやって来る。
それは張られている結界が『外へ逃がさない』作用が強いからだ。
危険感知の出来る賢い夜妖はそもそも燈堂の地に近寄らない。
しかし、光に引き寄せられるように、小さな羽虫はやってくる。
その小さな夜妖達を狩るのも黒夢と白雪の役目であった。
黒夢はそのお人好しの性格故に、情報収集対象の事情に首を突っ込んでしまう。
極力影から手助けをしたり、見つからぬよう介入したりするのだが。
儘ならない事情がある時はローレットを頼る事もあるらしい。
猫は自由な生き物である。
本来であれば何者にも縛られない生き方の方が性に合っている。
されど、燈堂を拠点としているのは、帰る場所がある事に安心するから。
どんなに寂しくとも、空腹を覚えようとも。
家に帰れば暖かな食事と笑顔が待っている。
ゆったりとした気持ちで眠りにつくことが出来る幸せを黒夢は大切だと思うから。
燈堂の為に世界を駆け、情報を集め持ち帰る。それが彼の存在理由。
自由気ままに見える黒猫の魔法使いの違わぬ信念。
たまに見かける黒猫の魔法使いを花丸は覚えていた。
夜妖ではないけれど、不思議な存在だと思っていた。
もし、出会えたら、何を話してみようか。
どんな声で喋るのか。どんな表情をするのか。
楽しみだと花丸は遠ざかっていく黒猫の魔法使いを見送った。
おまけSS『膝の上で丸くなる』
たまに縁側に座っている暁月の膝の上に乗って、撫でて貰う。
「無茶しないでくださいよ、ご主人。また体重減ってるじゃないですか? 食べてます?」
「黒夢には隠せないねぇ、そういうの。この所暑くてね。夏バテかな」
「生きの良いネズミをご所望ですか?」
肉球が暁月の頬にくっつく。爪がにゅっと伸びてくる。ふみふみ。
「痛い痛い。私の頬はママのお腹じゃあないんだよ!」
「失礼、愛情表現です。いっぱいネズミとってきますね?」
「分かった、分かった。食べるよ」
「ネズミを!?」
「人間のご飯を! ほんと君も随分心配性だなぁ、誰に似たんだか」
膝の上の黒夢を撫でて、儚き幸せの欠片を感じる暁月。