SS詳細
星空の輝き
登場人物一覧
- シルキィの関係者
→ イラスト
名前:『ナイトクリンナッパー』煌星 夜空(きらほし よそら)
種族:旅人(ウォーカー)
性別:女性
年齢:16歳
一人称:あたし
二人称:~くん、ちゃん、さん(希望ヶ浜学園の教員には 〜せんせー)
口調:〜だよ、〜だよね、〜なのかな?
特徴:燈堂門下生。湖潤・仁巳の親友。部屋は隣同士。
仁巳と同じく希望ヶ浜学園高等部一年。そして、燈堂一門の掃除屋として腕を振るっている。
カフェ・ローレットや燈堂家の有する情報を元にシルキィ達にそれを伝える事もある。
十二の時に召喚され、希望ヶ浜へやってきた。
元の世界では早くに家族を亡くし、親戚をたらい回しにされて過ごして来た。
たった一人で召喚され、右も左も分からない場所で生きて行く。心細さは限界まで来ていた。
心の隙間に付け入る夜妖に夜空は憑かれてしまったのだ。
悲しい夢を見続けて囚われる。
親戚にたらい回しにされ疎まれ蔑まれた日々を繰り返し夢の中で反芻した。
辛い。苦しい。悲しい。もう、限界で死んでしまいたかった。終わらせて欲しかった。
されど、灯火は夜空に降り注ぐ。
「大丈夫かい?」
「しっかりしなさいよ! ねえ!」
夢の中に見知らぬ男と少女が現れた。不思議と怖くは無い。
だって、その少女は夜空を抱きしめて「良かったぁ、間に合った」と泣いてくれたのだ。
夜空は廃ビルの中で倒れていた。そのままでは何れ眠ったまま餓死してしまう所だったのだ。
それを救ってくれたのが暁月と仁巳、そして黒夢だ。
黒夢の情報を元に暁月と仁巳が夜空を助けに来てくれた。
それから入院した夜空の元へ仁巳は毎日通ったのだという。
「私も暁月さんに拾われたんだ。だから、夜空もおいでよ。ねえ、燈堂は『あったかい』よ」
仁巳も夜空と同じく両親が居なかった。
同じ痛みを知っている仁巳の言葉は夜空にとって何よりの救いになったのだ。
「という訳で、あたしが『掃除屋』の夜空ちゃんだよ! 後始末は任されたから、思いっきりやってきんしゃーいっ!」
夜空は笑顔でシルキィ達を送り出す。
自分に居場所を与えてくれた燈堂家の役に立つため。希望ヶ浜の安寧を守る為。
それが自分達『家族』が背負う役目なのだ。
また、暴走しがちな仁巳の手綱を握る役割も担う。
二人で居ればどんな困難だって乗り越えられる。そう思うのだ。
おまけSS『燈堂家の朝は早い』
「おはよぉ。仁巳ちゃん……起きてぇ。今日は朝ご飯のお手伝いの日だよー」
隣の仁巳の部屋。夜空はゆさゆさと彼女を揺する。
「……」
身体をゆっくりと起こす仁巳。しかし目は開いていない。
蛇憑きだからなのか、仁巳は寝起きがとても悪いのだ。
「ほらー、着替えだよー」
「うーん」
夜空は仁巳のパジャマを脱がせて、普段着をテキパキと着せる。
ついでに彼女の髪も結って、濡れタオルを顔に押しつけてしばらくすると。
「……はぁ、はぁ! 死ぬ! もうちょっと、起こし方ってもんがあるでしょ!?」
「おはよー、仁巳ちゃん。だって、起きないんだもん。ほら、行くよー」
まだ起ききれていない仁巳の手を引いて。夜空は南棟の食堂へと向かうのだ。