PandoraPartyProject

SS詳細

紡ぐ人形師

登場人物一覧

グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)
孤独の雨
グリム・クロウ・ルインズの関係者
→ イラスト

名前:エメス・パペトア
種族:魔種(オールドワン)
性別:不明(男性寄り)
年齢(或いは外見年齢):20代
一人称:僕
二人称:キミ、~君
口調:~です、~ます
特徴:美声、わがまま、特殊な目、元気
設定:
「グリムくん、約束しますよ! 僕は絶対キミを一人にはしません」
強欲の魔種。
世界で一番綺麗な人形を作る為に色んな人の身体や遺体を素材として剥ぎ取っては、パーツを組み合わあせて「作品」を作り上げている。
自身の目も、人から奪い取ったものである。
霊園で素材を探していた時、グリムと出会う。
グリムは何故かエメスの名前を知っていた。
エメスは、グリムの目を美しい瞳だと思った。
これが欲しい、けれども、今じゃない。

それから、二人は”友達”となった。

母親が亡くなった時、グリムの瞳は悲しみに染まる。
長く遊んで色んな表情を見たけれど、悲しみに染まった瞳が一番美しい。
『もうすぐお誕生日ですね、グリム君。大切な君に、お渡ししたいものがあるんです』
成長したグリムに、エメスは手紙を出した。
手紙を受け取ったのはグリムの父。
よからぬ予感がした父は、息子に眠りの魔法をかけて、密かにエメスを待ち構えた。
瞳を見て確信する。
――これはこの世にあってはならないモノだ。
「なぁんだ、グリム君じゃないんですね。よく似てますけど、欲しいのはこれじゃないんです」
人形師は両親を人形に仕立て上げ、今度はちゃんと自分でグリムを迎えに行った。
「グリム君、凄い人形を見せてあげますよ!」
けれど。
これからだったのに、観客は消えてしまった。

悲しみにくれるエメスに、機械仕掛けの小鳥がやってきて告げた。
カムイグラという土地が見つかったのだと。
彼は特異運命座標という存在になったのではないだろうか?
「寂しかったですよね、グリムくん。苦しかったですよね、グリムくん。だから、僕はキミを永遠のものにしたい」
今までのものは全て「試作品」であり「失敗作」である。

おまけSS『失敗作』

 グリム君の瞳を見て、今まで作ってきたものは全て失敗作だと悟ったんです。
 今まで作ってきたものが恥ずかしくなって、全部壊したくらいでした。
 だってここに最高の宝石があるのだから、今までのは”最高”にはなり得ない。そうでしょう?

 いろいろな表情を観察するために、エメスはグリムに話しかけた。すべては最高の人形を作るためだ。
 微細に表情を変える瞳は、どれがいちばん美しいだろうか?

「グリム君、これをどうぞっ!」
 花を受け取ったグリムは不思議そうな顔をする。
「埋葬者じゃありませんよ、キミにあげたいんです! だって、キミがとても大切ですから」
 ありがとう、とたどたどしく言ってグリムはそっと小さな花を胸に抱える。
 それもきれいだな、とエメスは思う。
 もしも彼がいちばん美しいと思ったのが、グリムが「喜ぶ」顔だったら……。
 変わっていたのだろうか。

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