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雪隼が飛び立つ日

登場人物一覧

カイル=ヴェル=リットベルガー(p3p009453)
カイル=ヴェル=リットベルガーの関係者
→ イラスト

名前:ファルコ・フォン・シュットラー
種族:鉄騎種
性別:男性
年齢:35歳
一人称:俺
二人称:お前、呼び捨て
口調:だぜ、だろ、だよな
特徴:鉄帝軍人。貴族の出身。鉄帝国陸軍北東支部リヒトホーフェン隊所属。
設定:
 生まれは鉄帝首都スチールグラート。
 軍人貴族を多く輩出するシュットラー家の三男として誕生した。
 士官学校を卒業後、陸軍北東支部へと配属された。
 スチールグラートは鉄帝の中でも比較的住みやすい場所だ。
 そこで(厳しく育てられたとはいえ)ぬくぬくと育ったファルコにとって極寒のヴィーザルの地はあまりに過酷だった。
 士官学校で学んだ全てが極寒の地ではまるで役に立たなかった。
 否、知識として役立つ事はあっただろう。
 しかし、実際に強大な自然を相手にファルコは手も足も出なかった。
 自分の無力さを痛感した。
 実地訓練の最中、意識を失ったファルコを助けたのは『ギルバート・フォーサイス』という少年だった。

「しっかりしろ!」
「ぁ……お前、は……ハイエスタか」
 極寒のヴィーザルの地において、精霊の加護を受けたハイエスタは自由に動き回れるという噂があった。
 実物を見たことは無かったが、ファルコは目の前の騎士がハイエスタであるという確信を持っていた。
 なぜなら、彼の周りに何か綺麗な光が漂っていたからだ。
 きっとこれが精霊の加護というやつなのだろうとファルコはまじまじとギルバートを見上げる。
「いま、回復薬を……」
「すまん。助かる」
 上司であるリヒトホーフェンはかなり厳しい人物だ。首都から来たファルコの根性をたたき直す為にこのような過酷な訓練を課したのだろう。命がけの訓練でなければ意味が無いのだ。
 確かにファルコには絶対的な自分の肉体への自信があった。しかし、今はもう粉々に砕けて。
 ただ目の前の少年に手当をして貰うしか無い状況に打ちひしがれる。

「私はギルバート・フォーサイス」
「俺はファルコ・フォン・シュットラーだ。ありがとな」
 立てるようになったファルコはギルバートに礼の言葉を述べる。ギルバートはその手を握り力を込めた。
「ファルコ。この地で生き抜きたいと思うならば強くなれ」
「……ああ痛い程に痛感してる。胆に命じるよ」
 こんな場所で倒れてはこの先も生きてはいけないだろう。やり方は強引だがリヒトホーフェンの考えは正しい。それをギルバートを通して思い知ったのだ。

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