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異形? いいえ、おしゃれです。
登場人物一覧
名前:ルーキス・グリムゲルデ
種族:旅人
性別:女性
外見年齢:普段通り(外見:20代前半)
一人称:私
二人称:キミ、呼び捨て
口調:だ、だよ、だよね?
特徴:【理知的】【浮世離れ】【美声】【長髪】【スタイル抜群】
再現性東京――探求都市国家アデプトに作られた一区画にして、異世界の≪東京≫を模して造られた場所。
希望ヶ浜は異世界『地球』より召喚され、けれどその急激な変化に様々な理由で適応できなかった人々にとっての聖域である。
さて、そんな地域のこと、ルーキスという女性にとっては言い方は悪いが『歪』に見えた。
そもそも、神霊やら魔物やらが跳梁跋扈する魔術世界を出身とする彼女にとってすれば、見えている物に蓋をして、偽りの安寧を享受する姿は歪というにふさわしかった。
――だからこそ、ルーキスは心のどこかで『愉悦』する。
生粋の魔術師、人道から外れた人でなしの一面が潜むお姉さんは、全力で愚行に浸る者達の多くが面白かった。
その一方で、そんな歪な空間において、なお未来を見ている子供達にはほんのちょっぴりの興味があった。
そんなあれこれを考えながら、ルーキスはひとまず一日、考えた。
希望ヶ浜学園なる再現性東京におけるイレギュラーズの基盤は、主に学生になるか、講師になるかの二択。
丸一日考えて、若返りの魔術を行使し続けるのも少しばかり面倒くさい――というわけで講師になることにした。
専攻は化学。理由は単純に、普段から専攻とする錬金術が化学の基幹にあるものゆえである。
あらゆる異形、あらゆる非日常を見て見ぬふりする再現性東京において、一番のネックは自身の容貌だった。
側頭部の羽はまだアクセサリーで通用する。右腕と脚は服を工夫すれば見えなくできる。
完全に羽毛に覆われ、鳥類のそれと化している左腕だけ、どうしようもない。
『見て見ぬふりする』からこそそのままでもよかったが、それではつまらない。
色々考えた結果、袖の長い上着を着込むことにした。
左腕だけじゃなく右腕も同じぐらいの翼っぽく見えるダボッとした生地のお洒落着にして、
「翼含めておしゃれですが何か?」と素知らぬ顔をしてみる。
お洒落で気さくなお姉さんと言った雰囲気の若い女講師――女生徒からも可愛いと受けたので、この感じでいくことにしたのだった。