紅椿の鬼

登場人物一覧

名前：『紅椿』月折・社
一人称：僕
二人称：君
口調：だ、だよ、だよね？
特徴：神威神楽に存在する獄人一族の出身、武家『月折』の次期当主、称号は『紅椿』
設定：
　神威神楽に代々続く鬼人種の一族。武人を輩出する武家、月折の次期当主。
　月折では次期当主には花に関した二つ名を与える事と決まっている。社は次代の当主として『紅椿』の名を拝命した。

　神威神楽では鬼人種は貴族にはなれず、武士として剣を振るうのみであった。
　八百万主義であったこの国での肩身は狭かったが、武人である以上は国の為に立身すべしであるという理念が月折にはあった。
　名のある貴族のお抱えの武士となる者も居れば、自警団の一員を熟す者も居る。月折の大半の者が刀と共に生きて、刀と共に死んで往く。
　霞帝の治世が訪れ、迫害が僅かに緩んだ折りに月折家は今までの功績を霞帝に評価され兵部省へと召し抱えられた。
　社の家族(月折の一族）の者の多くは兵部省に所属し、八扇の一員として日々を過ごしている。今でも残る鬼人種への反感等気にせずに己が出来る事を遂行するのみである。
　故に、月折の一族では霞帝に対しては忠誠を誓うものも多い。古い時代を過ごした者達には彼がいなくては八扇（やくにん）になる道が無かったのだと語る。
　これまでの月折にとっては霞帝（朝廷）派という立場があった。だが、次代からは違う。
　有り難くも主上は月折家へと進言を行った――「獄人であった事で肩身の狭い思いをした貴殿等の忠信、確かに受け取った。だが、此れよりは次の時代で或る」と。
　故に『紅椿』（次期当主）は心の往くままに過ごして欲しいのだと霞帝はそう言った。
　彼が真に自身の主君だと神威神楽へと忠義を誓うのであれば、霞帝は其れを受入れよう。だが、広き世界を見て、その世界を旅することを選んでも自身は何も言わぬ、と。
　それが時代の移ろいであり、新たな道が開けた神威神楽の在り方であろう。
　霞帝の進言もあり、社は次期当主の立場でありながら神使（イレギュラーズ）としての活動を行っている。

　惑うことなく、紅●椿●の名に羞じぬ武人となるが為に――そして、己が道を定めたならば邁進して行けるように、と。