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運び屋のユーマ
登場人物一覧
- イズルの関係者
→ イラスト
名前:『運び屋』ユーマ・スカル
種族:獣種
性別:男性
年齢:20歳
一人称:俺
二人称:お前
口調:だ、だよな、だろ?
特徴:二本の美しい角を持つ青年。
設定:
世界中をまたにかける運び屋の青年。
元々ユーマとリズクッラーという二人のチームだったが、寒い冬の日に相方を亡くしている。
ユーマを庇い、リズクッラーは怪我を負ったのだ。その怪我が元で破傷風になり、命を落とした。
『この怪我が治ったら、美味しいもの食べに行こう。砂漠の街で食べた、ラーメン……おいし、かった』
死に向かう相方が残した言葉をユーマは生涯忘れないだろう。
例え生まれ変わったとしても、きっと――
ユーマはその日、砂漠の街『ハージェス』に足を踏み入れた。
とある筋からの極秘の依頼。
報酬は破格の値段だったが、クライアントの情報は一切問わないそれが条件だった。
この街は余り余所者を受入れない。
邪神――その真名を口にすれば祟るとされ秘匿された――を奉っているからだ。
通称を『クロウ・クルァク』と呼ぶらしい。
ユーマは荷物を受け取る為に、その村の巫女と謁見する。
「驚いた。巫女と聞いたからてっきり女かと思っていた」
「それは残念だったな」
ユーマの前に現れたのは薄布を纏ったアーマデルだった。
手には厳重に封印が施された長い箱を持っている。
「運んで欲しい品はこれだ。中身は『剣』だから丁重に扱ってくれ。くれぐれも中を開けないように」
手渡されたそれは見た目以上に重く、封印を解いてしまえば呪われてしまうような代物だとユーマは直感する。これは決して開けてはならないものだ。
「届ける先は『神光(ヒイズル)』の柊遊郭――伽羅太夫の元だ』
「砂嵐のハージェスから、神光の伽羅太夫までか。そりゃ破格の値段にもなるよな。でも、この『運び屋』ユーマが届けられない物なんて無い。必ず届けるぜ」
ユーマは『剣』を背負い笑顔でハージェスを後にする。
アーマデルはユーマの無事を静かに祈った。
「くくっ、『アレ』が何を欲しがったかと思えば
「……はい」
少年の体を黒い蛇が這う。蛇神『クロウ・クルァク』の化身だ。
因果を断ち切る剣を輪の中に閉じ込めてしまえる程の神性。――否、真性を持ってこの地に君臨す悪の怪異。